慎重な人か、能天気な人か… ヘッドハンターにきいた転職に成功する人の性格 (5/5ページ)

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 --転職活動中はどう過ごしますか?

 【B】自宅のパソコンで求人探しをやる人がいますが、それだけだとよくありません。顔色が悪くなり、表情が乏しくなり、会話の反応が鈍くなる。例えば部長をやっていた人は、次の転職先でも部長で応募するわけです。転職先の相手が見たときに「ああ、さすが部長だな」という、ピカピカしたものが見えてないとマズイわけですよね。いくら過去に部長をやっていたとしても、しょげ返った雰囲気が漂っていれば誰も採用しません。

 転職活動中は、メンタルを落とさないことが一番大切。履歴書1つ書くにしても筆が鈍ります。だから、自分の名刺をつくってセミナー、展示会などに通い、なるべく人と会ったりするほうがいい。職探しもカフェや外でやるほうがいい。要は休まないことです。間違っても「疲れたから海外旅行に行きます」などとやっていてはダメです。そんなことをしたら顔が緩んでしまう。中高年の転職なんて、待っていても何もいいことはありません。自分で切り開く前向きさは絶対に必要です。

 【A】前向きな人は「今日は面接だし」と言って気にせずに有休をとったりするのですが、慎重な人は退職してから転職活動をするケースがあります。要領が悪いように見えますが、責任感が強いとも言えますし、その人なりの労働哲学が滲み出るのだと思います。

 キャリアアップを真剣に信じている人

 --ポジティブ・ネガティブを含めた転職の考え方を聞かせてください。

 【B】転職の理由はさまざま。会社の業績が悪化したから、部門が閉鎖してほかへ移れない、親の介護で田舎に戻る等々。一方、ぶっちゃけて言うと、会社に不満がある、大きな失敗をした、ネガティブな烙印を押されて出世できない等々。その際エージェントには、本当の理由を言ってもらわないと困る。例えば「社長とそりが合わない」というのも表面的なもので、本当は「こういうポジションで、こんなことがやりたいのですよね?」という前向きな本音が必ずあるはず。それを引き出すのがエージェントの仕事です。

 【A】日本人の多くは、アンケートなどで転職の理由を聞かれたりすると「キャリアアップのため」などと答えますが、本当はネガティブなものが多い。そもそも人間関係も給料も労働環境もいいなら、辞める理由はないでしょう。

 ただ前向きな人の中には、キャリアアップを真剣に信じている人がいる。あらかじめ将来の人生設計を決め、そこに向かって動いている。最初はコンサルで、次は経営企画に、その次に幅広い仕事をやるために中堅企業に行く。「よし、戦略も描けるし、財務も経理もわかるから、ベンチャーのCFOを探す」という感じで、とにかく前向き。そういう人は「将来の目標はどっちにしたほうがいい?」と相談してきたり、外部の目を有効活用して、自分が何かを達成したいときに必要な経験やスキルを揃える準備をしています。一見、アグレッシブですけど、すごく慎重な部分も併せ持っています。

 【C】今は仕事をどう自分でデザインするかという時代です。成功か不成功かは、実は尺度があるわけではないので、ボランティアでもNPOでもどんな働き方だっていい。まずは何が得意で何が不得手なのか、自分に対する理解と職業観を把握するべき。どんな仕事ならモチベーションが上がるか、下がるかは、これまでやってきた仕事の中で経験してきたはず。転職時にそういう意識を大切にすれば、後々「自分の職業人生はよかった」と言えるようになるのでは。

 --貴重なアドバイスをありがとうございました。

 (篠原 克周 写真=PIXTA、AFLO)(PRESIDENT Online)