尿検査で5種のがん発見 名古屋大や国立がん研が技術開発

尿からマイクロRNAを集める器具。透明な樹脂に長さ2マイクロメートルの針が大量に敷きつめられている(名古屋大提供)
尿からマイクロRNAを集める器具。透明な樹脂に長さ2マイクロメートルの針が大量に敷きつめられている(名古屋大提供)【拡大】

 尿に含まれる微小な物質を調べて肺や膵臓(すいぞう)などの5種類のがんを見つける技術を開発したと、名古屋大や国立がん研究センターのチームが発表した。

 10年後の実用化を目指す。チームの安井隆雄名古屋大助教は「健康診断で採取し余った尿で、がんの有無を調べられる。早期発見や治療につながる」と話した。

 チームは、がんや正常な細胞から分泌されるマイクロRNAと呼ばれる物質に着目。長さ2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の酸化亜鉛の小さな針を樹脂の表面に大量に敷き詰め、尿に含まれるマイクロRNAを集める器具を作った。

 マイクロRNAは細胞の種類に応じて特有のものが分泌され、全部で2000種類以上ある。従来の検出法では尿20ミリリットルから300種類を検出するのが限界だったが、この器具により1ミリリットル中から1000種類以上検出できることを確認した。

 さらに肺、膵臓、肝臓、ぼうこう、前立腺のがん患者と健康な人、それぞれ3人ずつの尿を調べ、各がんに特有のマイクロRNAを特定した。今後、他のがんに特有のものも探す方針。

 がん研究センターは、これまでに血液1滴から13種類のがんのマイクロRNAを調べる検査法も開発しているが、尿を使えば検査がより簡単になる。