新人賞を取る、小説投稿サイトで人気となる… 多彩になってきた小説家になる方法 (1/3ページ)

電撃小説大賞で大賞を受賞のうーぱーさん(左)と凩輪音さん
電撃小説大賞で大賞を受賞のうーぱーさん(左)と凩輪音さん【拡大】

  • NovelJam2018の発表会。左から日本独立作家同盟の鷹野凌理事長、審査委員長の藤井大洋氏、前回参加者でマンガ家のうめ(小沢高広)氏、小説家で審査員の内藤みかさん
  • エブリスタが応募窓口となる氷室冴子青春文学賞

 作家になる方法が多彩になっている。新人賞を受賞すればほぼ確実にデビューできるが、小説投稿プラットフォームで評判になり出版社から声をかけられる、電子書籍を作って販売して収益を得るといった道も生まれ、そこから大人気となる作品も後を絶たない。短期間で小説を書き上げ電子出版までしてしまうイベントも登場。出版不況で売り上げこそ停滞傾向にあっても、創作したものを世に問い認めてもらえる道は、これまでにも増して広がっている。

 世界でも最大級と言われる新人賞がKADOKAWAのアスキー・メディアワークスによる電撃大賞だ。2017年に実施された第24回は、小説部門の<電撃小説大賞>だけでも長編3528作品、短編1560作品、合計5088作品が寄せられ、この中から凩輪音(こがらし・わおん)さん「ガラクタの王」、うーぱーさん「タタの魔法使い」の2作品が大賞に選ばれた。

 11月21日に開かれた贈呈式で凩さんは、「去年は最終選考で落ちたので、体面が保てました」とリベンジの受賞を喜んだ。次回作についても、「いろいろな職業の人が出てくる話を書きたい」と抱負を語った。うーぱーさんは、選考委員に名を連ねるアニメーション演出家の佐藤竜雄氏に読んでもらいたいという動機で執筆したことを明かし、今後は「誰かのきっかけになる作品を書いていきたい」と話した。

 選考委員のひとりで、「タイム・リープ あしたはきのう」で知られる高畑京一郎氏は、総評で「質が拮抗し、バリエーションが広すぎて比べることができなかった」と審査が難しいものだったことを明かした。すでにリライト作業に入った受賞作が刊行された時は、「今の大賞、奨励賞の評価が出て行くわけではない」とも話し、デビューしてからの評価が重要なことを先輩作家として諭した。

 こうした受賞作は、近くアスキー・メディアワークスから刊行されることが決まっており、狭き門ながらも作家になる登竜門として確立したものとなっている。これとは別に、最近どんどんと存在感を増しているのが、小説投稿サイトと呼ばれるインターネット上のプラットフォームだ。

新人賞そのものを小説投稿サイト経由で行うケースも増加