若手社員に大人たちが「三年は辞めるな」という理由 “転職したい症候群”が読むべき『社畜上等!』 (3/3ページ)

『社畜上等! 会社で楽しく生きるには』(晶文社)
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 人材紹介会社への登録で得られる最大のメリットは、「履歴書・経歴書を書くことでこれまでの経験を棚卸しし、自分を見つめ直すことができる」「カウンセラーとの面談によって、自分の市場価値や課題を知ることができる」という二点だ。どんなに文章が上手な人でも、カウンセラーの手にかかれば職務経歴書なぞ2、3回はダメ出しされる。しかも他業界の人にも理解できるよう書かなくてはならない。面談でも合格可能性のある企業名を提示されて「え…自分ってこの程度なのか…」と社会人としての自分のレベルを思い知らされることもある。

 他にも、本書ではいくつかの「エア転職」の方法を紹介している。このエア転職では自分の市場価値のようなものはもちろん分かるが、実は「今の仕事や職場のリアルな姿とそのよさ」が可視化されると常見氏は指摘する。

 「業界・企業の先行きには不透明感があったとしても、より不安な転職をするよりも、今の業界・企業をなんとかしようというマインドで働いた方がずっと得かもしれません」(常見氏)

「三年は辞めるな」の真意

 さて、ここでは一部しか紹介できなかったが、本書では他にも「会社とはビジネススクールである」「学歴コンプレックスは妄想か」「会社の中での怒り方を身につける」「理不尽だと思ったら、その合理性を考えてみる」など興味をそそる項目が並んでいる。

 冒頭に戻るが、私が入社したての頃、多くの大人たちが「三年は辞めるな」と助言した理由がこの本を読んで分かった気がする。常見氏がよく引用する、編集者・末井昭氏の「若い奴は何かをやりたい、やりたいと言うが、実はやりたい衝動があるだけであって、やりたいことなど何もないのだ」という言葉がある。大人はこれを知っているからこそ、新社会人に「今はこの会社にいろ」と言うのだと思う。

 「三年は辞めるな」の真意は、今の職場を最大限に利用しろということだろう。「会社が変わらないなら会社を変えるしかない」と、つい前のめりになってしまう我々若者だが、自分のマインドチェンジだけでも今の仕事は良くなるかもしれない。それでも「今の会社が諸悪の根源!」と言う人こそ、騙されたと思って『社畜上等!』を読んでいただきたい。

 まぁ、こんなエラソーに言っている私もあと一カ月半で四年目だ。さて、人材紹介会社に登録するか。

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