同じ住所に250世帯 「岐阜市鷺山1769の2」 70年経て解消へ動き出すも「今更…」の声も

全く同じ住所に約250世帯が暮らす地区「岐阜市鷺山1769の2」
全く同じ住所に約250世帯が暮らす地区「岐阜市鷺山1769の2」【拡大】

 全く同じ住所に約250世帯が暮らす地区がある。「岐阜市鷺山1769の2」。市が戦後に復興市営住宅を建てた際、入居を優先し住所の整備を後回しにしたためだ。市は、郵便の誤配が起きるなどとして、来年から1軒ごとに新住所を割り振ると決め、約70年を経て解消する見通しだ。

 同地区は、岐阜駅から北に約4キロ離れた約3万9千平方メートルの市有地。市が戦後の住宅難解消のため市営住宅を建てたのは昭和25年。入居を急ぎ、地番や住所を整備しなかったため、現在も約250世帯が同じ住所を使っている。

 「誤配がある」「家に招く客への案内が困難」との要望が一部住民からあり、市は15年ほど前から対策を検討。土地の登記は「1769の2」のまま、同一住所の約250世帯と周辺を含めた計約380世帯に「鷺山南○の○」の新住所を割り当て、来年2月に移行すると決めた。

 ただ、手続きが面倒だとして「不便はなく今更変更しても」という住民も少なくない。その理由は通称名の存在だ。同地区では、玉川町や白鷺町など独自の町名が六つあり、免許証など公的書類には使えないが、表札の住所や郵送先として「鷺山玉川町1769の2」などと記し、混乱を避けてきた。

 高齢化が進む同地区。昼間でも人通りがまばらで、空き家や空き地が目立つ。住民からは「次の世代のためと市は言うが、10年後どうなっているか」との声も出ている。