【論風】「働き方」変えるには 企業に縛りつける悪弊見直せ (1/2ページ)

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 □社会保障経済研究所代表・石川和男

 安倍政権が肝煎りで進めている「働き方改革」。長時間労働の是正や、正規雇用と非正規雇用の格差是正など、労働者の権利保護や労働規制の強化のように思われているのではないか。

 だが本来の目的は、少子高齢化が急速に進んでいく中で、経済の担い手となる働き手をいかに増やすか、多様な働き方を実現しながら労働生産性をいかに高めるか、である。

 これを達成するには、規制・制度改革によって「長時間労働是正」や「同一労働同一賃金」に網をかけるだけでは、とても足りない。これらだけではマイナスの是正にしかならず、減少していく労働人口を補ったり、労働の生産性を飛躍的に高めたりすることにはつながらない。

 企業年金の弊害

 労働の生産性を高めるにはどうすべきか。雇用の流動性や働き方の多様性を高め、より多く稼げる(=より多くの付加価値を生み出す、より価値あるイノベーションを生み出す、より高度な経済循環を作り出す)人には、より多く稼いでもらえるような仕組みを作ることだ。

 この点についても、フリーランスに係る税制見直し(財務省)や、モデル就業規則の改定による副業・兼業の容認(厚労省)など、政府側の取り組みは進められつつある。

 他方、働き手の受け皿となる企業側には、こうした流れを阻害する制度が厳然として残っている。大企業を中心に継続している確定給付型の企業年金・退職金制度のような“一企業に従業員を縛りつける制度”を、今一度見つめ直すことが大事だと私は考えている。

 確定給付型年金は、手厚い企業年金制度として、優秀な人材の獲得などの有用性から、大企業を中心に採用されてきた。労働者にとっても、確定拠出型年金と比べて、将来の受取額が明確である分、生計が立てやすいというメリットがある。

見直される機運が高まった時期も