ローカリゼーションマップ

“オーダーの自由度”が増すイタリア料理 フードロス削減効果も期待 (1/3ページ)

安西洋之

 年が明けた週末、ミラノ市内のトレンディな地区にあるグルメが集まる、それなりにオシャレ度が高いレストランに家族で出かけた。

 ほぼ満席の周囲のテーブルを眺めながら、奥さんと「前菜、第1の皿、第2の皿とこなす人って少なくなったよね」と話した。

 ご存知のようにイタリア料理は、オードブルとして軽めの皿が最初にあり、その次にパスタかリゾット、3番目に肉や魚料理がくる。その後にチーズなどを挟み、デザート、カフェと続いてしめる。パンは前菜の段階から用意されている。

 メニューはこの順序で料理が記載されており、中華料理店のメニューであってもローカライズされ、この順番だ。餃子やシュウマイが最初で、チャーハンや焼きそばが次のページという具合である。

 ぼくたちがイタリアに住み始めた1990年代初め、この順番で全てをこなすことが「暗に期待されていた」。期待されるとは、同席のイタリア人やレストランのウエイターからである。

 正直言うと、これがなかなか辛かった。最初の4年間はトリノにいたのだが、特に(トリノ市が位置するイタリア北西部の料理である)ピエモンテ料理は油やバターを使う量が多く、イタリアのなかでも一番重い料理と言われる。前菜からはじめ、肉料理が配膳されるころにはもうお腹が一杯というわけだ。

 途中で脱落すると、「こいつ、付き合いの悪いやつだなあ」みたいな表情をされることもあるから、プレッシャーである。(その頃)若い輩ががつがつとたくさん食べないと上の世代が喜ばない、という事情もあった。

 かといってそう無理をするのも本人として楽しくない。それでパスタを最初に食べ、次に前菜に戻るというパターンで同席の人と同じタイミングで終わる、という工夫をたまにするようになった。正統派からすれば逃げである。

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