教育、もうやめませんか

受験で学ぶ人は没頭で学ぶ人に勝てない 新しいサイエンススクールを創るワケ (2/3ページ)

野村竜一

 ミニ四駆は自分がそう考えるきっかけになった最初の体験だ。その後もいろいろなことにハマった。自分は割とハマり癖がある方だと思っている。その都度そのハマった対象を通して知識を求め吸収し、得た知識を運用する力を高めていった。少なくとも学校で習ったことよりもハマったものを通して得たことのほうが多くを覚えているし、今でもそれが役に立っている自負がある。

人は自らの興味に従う

 老若男女限らず自分が出会ってきた「すごい人」に共通する何かがあるとしたらそれはまさに「ハマり込む力」だと思う。「没頭力」と名付けてもいい。興味を持ったこと、好きなことにとことんハマりこむ人々は多くの場所で高いパフォーマンスを叩き出し、そしてなにより楽しそうだ。

 没頭力の高い人は没頭対象からとかく多くを学ぶ。そしてその学びを他処に生かすことができる。没頭は最高の教師なのだ。没頭を通して学ぶ人に、受験勉強を通して学んだ人は絶対に勝てない。

 学習塾経営の現場にいる頃から没頭することの意義を説いてきた。決して「お子さんに没頭させなさい」といっているわけではなく、むしろ「お子さんが没頭したら止めるべきでない」といっているつもりだった。そんな中、「没頭するほど好きなことないんですけど」「うちの子すぐ飽きて何かに熱中したりハマったりしないんですよ」という声が多いことに驚いた。

 そもそも没頭すること・ハマることは何か興味の対象がありそれを探求する一過程であって、没頭することを目的とするのは本末転倒だ。「何かに没頭したかったから陶芸をはじめました」。これはやはりおかしい。

 人は本来、自らの興味に従い探求活動を行う生き物であると信じている。多くの人が幼い頃に何かに熱中しすぎて時間を忘れた経験があるはずだ。しかし、より良き納税者・労働者・社会構成員を輩出するための教育を長く受け、暗黙の常識が作り出す雰囲気による指導に晒されるうちに多くの人は「ハマり方」を忘れてしまう。

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