教育、もうやめませんか

受験で学ぶ人は没頭で学ぶ人に勝てない 新しいサイエンススクールを創るワケ (3/3ページ)

野村竜一

 教師や親からの「あんたにできっこないんだからやめときなさいよ」「そんなの無意味だからやめたほうがいいわよ」「将来何の役に立つの?」という声であったり、生徒自身もその雰囲気に半ば洗脳され学びに効率を求めてしまう。しかし、こういった声や雰囲気を取り払うことで生徒の好奇心の導火線は自然着火する。

時間割も教師もない新しい学びの場

 私たちISSJは2019年9月、東京・市ヶ谷にて高校生世代を対象とする新設高校「Manai Institute of Science and Technology(以下、マナイ)」を開設する。生徒に共通する時間割は存在しない。

 生徒は自らが運営するサイエンスプロジェクトに没頭する。没頭を通して知識や方法論を学ぶこれまでになかった学びの場だ。

 したがって生徒に一方的に知識を伝授する役割の教師はいない。教師の代わりに、生徒の研究をサポートし外部協力機関とつなぐなど、いわば“伴走”の役割を担うメンターがマナイには存在する。

 また生徒は自らのプロジェクトの合間に、用意されるワークショップやレクチャー、実験プログラムを選択し受講する。必修授業はない。本当の知識とは、それが必要になった時、自分が「それを知りたい」と強く思った時に得る知識であるべきだという私の信念がある。

 <マナイの方針>

・生徒は日々サイエンスプロジェクトを運営する

・プロジェクトの合間にワークショップやレクチャーを選択する

・教師はいない:プロジェクトに伴走するメンターが生徒をケアする

 学びは人を自由にするための唯一の方法だと信じている。学ぶことで人は狭い世界の教育や風習、そして雰囲気がつくる固定観念から自由になり、自分の人生を生きることができる。

 人が自由になるために、学びの方法をアップデートしたい。

 それがこの教育機関(あえて学校と呼ばずに教育機関と名乗りたい)を作ろうと思った理由だ。皆が同じ場所で同じ時間に集まり、一方的な知識の伝達を受け、それを記憶し再現する。これを繰り返す学びでは人は自由になれないことを私たちは既に知っている。

 没頭での学び、ハマることからの学びを一人でも多くの高校生に体験して欲しいと思う。一度体験したらもう元の世界には戻れないだろう。

 次回以降、マナイにおいて、いかにして生徒が没頭できる環境をつくるのか。「新しいサイエンススクール」の特徴を紹介していきたい。

教育、もうやめませんかは、サイエンスに特化したインターナショナルスクールの代表であり、経営コンサルタントの経歴をもつ野村竜一さんが、自身の理想の学校づくりや学習塾経営を通して培った経験を紹介し、新しい学びの形を提案する連載コラムです。毎月第2木曜日掲載。

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