ローカリゼーションマップ

海外市場開拓へ「いざ勝負」 ローカライズしない「ガス抜き」も必要な訳 (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ローカリゼーションを専門分野の1つとして自覚し、15年以上の年月が経過した。最近、ローカリゼーションをあえてしない「ガス抜き」というアプローチがあると感じている。その背景を説明してみよう。(安西洋之)

 日本の伝統的様式美を外国人にもそのまま分かって欲しいというプロジェクトは、ぼくの分野ではないとずっと思ってきた。それを得意とするか、好きな人がやることだと考えてきた。

 日本文化のエッセンスを欧州市場で売る商品に入れたいのなら、そのエッセンスをなるべくユニバーサルな言語に翻訳するか、抽象度をあげる。これがぼくの関与する範囲である、と。ぼくは文化の変化に興味がある。

 数年前にミラノで日本文化を紹介するイベントを企画したときも、この20年くらいの期間に「いつの間にか欧州に浸透した日本のモノは何か?」を可視化する展示を行った。オリジナルが何であり、それが欧州市場で受容されるにあたりどのようにローカライズされたか。これらの2つを対比的に見せる、といった具合だ。

 よくある手法として、日本の素材や技術をベースに欧州のデザイナーが欧州市場向けに翻訳してデザインする、というのがある。その場合、欧州に長く生活する日本人デザイナーよりも、日本語を全く解さない欧州人のデザイナーをぼくは優先してきた。

 なぜなら、日本語が分かる人は、どうしても日本人の精神性の主張になりやすい。それだけでない。日本のクライアントが「日本文化を強くそのままアピールしたい」との想いを秘めているのを察知してしまい、その要望にどうしても応えようとする。

 結果として、市場で成功率を下げるアプローチになりやすい。

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