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銀行が狙うあなたの退職金 ファンドラップとセット販売の甘い罠 (1/4ページ)

高橋成壽

退職金 よくある失敗例

 銀行がおすすめする金融商品に退職金を投資したら、半分に減って後悔している―。こんな話を聞いたことはないだろうか。このような人がたくさんいて、そのごく一部がFP(ファイナンシャルプランナー)に相談に来ることになる。これは、リーマンショックなどの金融危機の時だけでなく、平時でも起こるのだ。しかし、一度減った財産を取り戻すことは難しい。後から相談に来るのではなく、事前に相談されることをおすすめする。(ファイナンシャルプランナー・高橋成壽)

銀行の退職者向けキャンペーンの実態

 銀行は退職金獲得に向けて、いろいろなキャンペーンを実施する。例えば、一時的に高金利の定期預金を提示して、その見返りに他の金融商品を販売する手法が多い。いわゆる「抱き合わせ商法」である。

 某銀行では、円の定期預金金利が年率5.6%(ただし、3カ月定期)となっていた。これは年率換算すると5.6%だが、実際は3カ月定期だから実質的な金利は1.4%になる。銀行が顧客への優良誤認を狙うやり方として一般的な手法である。

 では、高金利定期預金の見返りに販売されやすい商品はどれか。

銀行が最も売りたい「ファンドラップ」

 銀行が今、最も売りたいものの1つが「ファンドラップ」という商品だ。ある程度まとまったお金を金融機関に預ければ、投資のプロに資産運用を丸ごとお任せできるというとても便利なサービスがある。その専用口座や商品自体を「ラップ口座」というが、ファンドランプはラップ口座のうち、投資対象が投資信託(ファンド)に限定されている商品を指す。

 「投資信託」は投資する投資信託を自分で選定するが、ファンドラップは、投資する投資信託の選択自体もプロにお任せできる。人間は選択肢が多いと選べなくなるという点と、そもそも選択するにあたり知識がないため、選ぶという行動自体をとることができない人が多い。そのような金融リテラシーに自信が乏しい人には、銀行がおまかせで運用してくれるサービスはとてもありがたいと感じるだろう。

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