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オランダで「かわいいお菓子」がレアな理由 「不健康な」食品から子どもを守るための広告規制 (2/5ページ)

ステレンフェルト幸子

 まずは食文化。日本ほど健康的で味にも見た目にもこだわる食文化で、かつお母さんたちが毎食せっせと手間暇かけて料理をする国はめったにない。ましてや食文化の貧しさに定評があるといわれている(?)上に共働き家庭も多く、食事の準備に手をかけないオランダでは、日々の食事は子ども人気においてお菓子にとても太刀打ちできない。

 結果として、子どもが食事をろくに食べずにお菓子ばかり食べたがるという事態に陥りがちなのだ。実際オランダでは、18歳以下の子どもの7~8人に一人が「肥満」であると言われている。

 つまり日本のように、子どもが食事で心もお腹も満たされた上でお楽しみとしてお菓子を食べる、というのとは全く次元の違う話であることを初めに断っておきたい。そもそも皆さんご存知の通り、欧米のお菓子は往々にして鼻血が出るほど甘く、バターたっぷりである。

 もう一つは子どもの人権意識が高いこと。今回の件ではオランダ糖尿病財団が「16歳までの子どもは衝動のコントロールが未発達であり、企業が子どもに対して不健康な食品に対する欲求を扇動するような広告を行うことは、国連子どもの権利条約で保障されている『健康的な成育環境』に反します」と声明を出している。単純に言えば、「そもそも我慢できない生き物である子どもの欲求を煽って体に悪いものを欲しがるように仕向けるのは、大人による虐待である」という考え方なのだ。

 そして最後に母親を含む一般人、この場合は消費者の力が、大企業に対して強いこと。オランダの広告規制協会は一般に、13歳未満の子どもを対象とした食品の広告を禁じている(16歳までに引き上げようという動きもある)。子どもがその食品を食べるかどうかは、作っている企業ではなく消費者である親が決めるべきと考えるからだ。

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