フィンテック群雄割拠~潮流を読む

フィンテックで地銀は生まれ変われるか?(前編) ビッグデータを活用 (3/4ページ)

甲斐真一郎
甲斐真一郎

 「地銀×フィンテック」が課題を解決する?

 さて、ここまでは地銀の今の状況と前提となる基礎のお話をしてきました。では、これからの地銀には、メディアが騒いでいるように本当に未来がないのでしょうか? 商機、勝ち筋はないというのでしょうか? 僕自身は、「地銀には、まだ可能性が十分残されている」「地銀には、地銀ならではの勝ちパターンがある」。そう考えています。

 地銀には、地域に根ざした金融機関ならではの強固なネットワークや「信用」があります。信用を第一とする銀行業において、地域に多く住む高齢者からの信頼を集めているポイントは、一朝一夕で他業種企業やスタートアップが簡単に覆せるようなものではないでしょう。またデジタライゼーション、つまりフィンテックの波にうまく乗ることによって乗り越えられる課題も少なくないはずなのです。では、今すでにある地銀のフィンテックを活用する動きには、どのようなものがあるのか?

 ここで、実際にいくつかの事例を挙げてみることにします。

 複数行が連携、地域にあるビッグデータの活用

 地銀数行が連携をとり、銀行のデジタル化の研究・開発を行う。そんなコンセプトのもとに2018年6月設立されたのが、「フィンクロス・デジタル」です。共同出資行として名を連ねる7行は、池田泉州銀行、群馬銀行、山陰合同銀行、四国銀行、千葉興業銀行、筑波銀行、福井銀行、と全てが地銀です。

 同社はデジタライゼーションの波を意識して、フィンテック技術の開発を進めています。狙いは、7行が集うことで1行では難しかったデジタル化を目指し、同時に複数行のデータを集約すること(匿名前提)で高度なデータ分析、利活用が可能になるというものです。7行合計で1000万口座以上の普通預金口座のデータや80万の融資先の地域に根ざしたビッグデータを解析できる強みは、非常に大きなものになるはずです。

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