フィンテック群雄割拠~潮流を読む

フィンテックで地銀は生まれ変われるか?(前編) ビッグデータを活用 (4/4ページ)

甲斐真一郎
甲斐真一郎

 これがうまくいけば、彼らが掲げるように、銀行業がAIにより高度化され、多くの業務が自動化されて、店舗のデジタル化によるペーパーレス化やキャッシュレス化が進むことが期待されます。さらに、インターネットバンキング機能が強化され、高度なUI/UXが実装されることで地域に根ざした利便性の高い銀行サービスが近い将来本当に実現するかもしれません。

 この研究・開発の試みの結果、すでに参加行6行でAIを活用した銀行内デジタル文書検索システムが導入・実働されており、実効性の高いプロジェクトで地銀の未来を占う上では重要な試みなのではないかと思います。

 このフィンクロス・デジタルと同様の動きも見られます。フィンテックの調査や研究、フィンテック活用の金融サービスの開発を行う「T&Iイノベーションセンター」の設立(2016年7月)、「ForeVision」の設立(2019年2月)も、複数の地方銀行が参加しており、フィンテックの潮流に合わせて行こうとする流れだと思います。

 次回の後編では、僕が個人的に注目している地銀とアプリの組み合わせなどについてご紹介したいと思いますので、楽しみにしていてください。

甲斐真一郎(かい・しんいちろう)
甲斐真一郎(かい・しんいちろう) 「FOLIO」代表取締役CEO
京都大学法学部卒。在学中プロボクサーとして活動。2006年にゴールドマン・サックス証券入社。主に日本国債・金利デリバティブトレーディングに従事。2010年、バークレイズ証券に転籍し、アルゴリズム・金利オプショントレーディングの責任者を兼任する。バークレイズ証券を退職後、2015年12月に、手軽に資産運用、株式投資を楽しめるフィンテックサービス「フォリオ」を提供するオンライン証券会社「FOLIO」を設立。フィンテックの旗手として大きな注目を集めている。次世代型投資プラットフォーム・サービス「フォリオ」は、「ユーザー体験」「操作感・表示画面」に着目されており、テーマ投資という形で誰もが簡単に株式投資を楽しむことができるように設計されている。FOLIOはお金と社会にまつわる情報を発信するオウンドメディア「FOUND」も運営している。

【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら

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