健康カフェ

(163)清涼飲料水 お酒は飲まなくても…

 ある日、健康診断結果を持参して30代後半の男性が私のクリニックを受診しました。肝障害と中性脂肪の高値を指摘され、受診を勧められたということでした。確かに肝機能を示すγGTと中性脂肪が高く、肥満というほどではありませんが体重も多めでした。

 「健診結果にはお酒を控えるようにと書いてあるのですが、飲酒は全くしないのです」と、結果に釈然としないようでしたが、生活歴を聞くと、近年は運動することもほとんどなくなり、体重も少しずつ増えてきていたそうです。炭酸飲料やエナジードリンクを頻繁に飲んでいるということでした。

 飲酒の害はよく知られているところですが、清涼飲料水もまた、たくさん飲む人は注意が必要なようです。欧州の10カ国で、清涼飲料水の摂取量と死亡率の関係を調べた研究結果が今年9月、米国の医学雑誌に報告されました。これはがんや心血管病、糖尿病のない平均51歳の男女52万人を対象に、約16年の経過を観察したものです。結果は清涼飲料水を1日1杯(250ミリリットル)以下しか飲まない人に比べて、2杯以上飲む人は死亡率が17%高くなっていました。

 通常の加糖飲料では8%、人工甘味料飲料では26%死亡率は高くなっています。人工甘味料飲料が1日2杯以上では1杯以下に比べて循環器疾患での死亡が52%高く、また加糖飲料では1杯以下に比べ消化器疾患での死亡が59%高くなっていました。

 加糖飲料が死亡率を上げる原因としては、糖分の過剰摂取により体脂肪蓄積や血糖上昇が起こり、これがインスリン抵抗性や体内での炎症につながることなどが想定されます。消化器疾患による死亡を増やす原因は、高血糖が腸管の防御機能を落とすことや脂肪肝を起こすことなどが考えられます。

 お酒を飲まない人でも脂肪肝による肝障害や中性脂肪の上昇を起こすことは珍しくありません。これらは主に摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状況が続いたり、糖質の摂取量が多過ぎたりするようなときに見られます。(しもじま内科クリニック院長・下島和弥)

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