【新興国に翔ける】商品を並べるだけでは選んでもらえない (1/2ページ)

 □スパイダー・イニシアティブ代表 森辺一樹

 食品、飲料、菓子、日用品などの消費財メーカーにとって、自社商品をいかに多くの小売店に並べるかという「ストア・カバレッジ」を上げることが重要なのは言うまでもない。これと同じくらい重要なのが、各店舗の同一カテゴリー商品の中で、いかに自社商品の売り上げが占める割合を高めるかという「インストア・マーケット・シェア」を上げることだ。

 まず、ストア・カバレッジについては、そもそも商品が小売店に並んでいなければ消費者は手に取ることさえできないので、より多くの店に自社商品を並べることは不可欠だ。アジア新興国には何十万、何百万という伝統小売りがあるので、日本企業が最も弱い販売チャネルにしっかりと投資を行って、近代小売りだけではなく伝統小売りのストア・カバレッジを上げることが大切だ。

 1つの国を1つのディストリビューター(現地の販売代理店や卸売業者など)に丸投げするのではなく、先進的なグローバル消費財メーカーのようにしっかりとしたディストリビューション・ネットワークを作らなければならない。

 ただし、商品を並べさえすれば勝手に売れてくれるわけではないので、ストア・カバレッジがある程度まで上がった後には、インストア・マーケット・シェアを上げることが次の課題になる。チョコレートのカテゴリーでいえば、アジアのスーパーには10~15社のチョコレートメーカーの商品が並んでいるが、この中からいかに自社商品を消費者に選んでもらうかだ。

 仮に、ある店舗におけるチョコレートの売り上げが10万円で、それを10社で奪い合っているとしよう。平均すると1社当たり1万円だが、これを2万円、3万円に高めていくのがインストア・マーケット・シェアを上げることになる。