インドの民間企業が宇宙産業進出 20年ロケット発射へ政府とJV

 インドは、民間企業の宇宙産業への本格進出が近づいている。宇宙開発を担当する国家機関インド宇宙研究機関(ISRO)のキラン・クマール総裁は、2020年のロケット発射に向けてISROと民間企業のジョイントベンチャー(JV)の設立作業を既に開始したことを明かした。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。

 クマール総裁によると、ISROは年間に18回のロケット発射を目標にしているが、現在は8~10回にとどまる。同総裁は「ISROが運用している人工衛星の数は40機だが、国が必要としている数にはほど遠い」とし、打ち上げを加速するには民間企業の宇宙産業への参加が不可欠との見解を示した。

 国内民間企業の技術水準については、以前は部品や重要性の低いサブシステムの供給にとどまっていたものの、現在はISRO施設内での衛星組み立てを担当できるほどになっているとし、技術力が順調に向上しているとした。ISROは、これまでに31社の地場企業から小型ロケットを製造できるという売り込みを受けたという。

 クマール総裁は「単に国内の打ち上げ回数を増やしたいだけではない。今回のJV設立は、現在3000億ドル(約33兆6750億円)規模とされ、今後拡大の一途をたどる世界宇宙産業でインド企業がシェアを獲得する原動力にもなる」と述べ、民間企業の宇宙産業への進出の意義を強調した。

 ISROの年間予算は10億ドルとされる。近年は宇宙開発を加速させており、今月12日にPSLVロケットを使用して31機の人工衛星を打ち上げる予定を立てているほか、年内には2度目の月探査ミッションを行う計画もある。(ニューデリー支局)