MS「修正で処理速度低下」 CPU脆弱性問題で見解

 米IT大手マイクロソフトは9日、パソコン(PC)などに搭載された中央演算処理装置(CPU)の脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになった問題に関連し、欠陥の修正に伴って一部のサーバー処理が大幅に減速したりPCの処理速度が低下したりする可能性があると発表した。米半導体大手インテルが当初軽視していた世界的問題について、マイクロソフトが初めて評価を示した。

 同社の発表は、インテルがこれまで示していた以上にコンピューターの大幅な減速につながる可能性があることを示すものだ。インテルのクルザニッチ最高経営責任者(CEO)は8日、米ラスベガスで開催中の家電見本市「CES」で、問題が当初の見解よりも広範囲にわたる可能性があると説明したものの、影響の程度には言及しなかった。

 マイクロソフトの基本ソフト(OS)ウィンドウズ担当チーフ、テリー・マイヤーソン氏は9日、「ウィンドウズ10を搭載し2016年以降に販売されたPCでは10%弱の減速となるが、ユーザーにはわからない程度だ」と説明。「10」搭載で比較的古いPCでは旧型の半導体製品が使われているため、ユーザーは多少の遅さに気づき、ウィンドウズの「7」と「8」搭載の15年以前のPCではユーザーはシステム性能の低下を実感すると述べた。

 また、企業がデータを自社内に保存している場合、データセンターやシステムを支えるサーバーにも顕著な影響が出るとの見方を示した。膨大な量の処理を行うため、CPUの処理速度のわずかな低下が大きな違いとなって表れるからだという。

 ただ、全てのサーバーが影響を受けるわけではない。同社は欠陥の影響に関する情報を公開し、法人顧客が修正を行うか否かを判断できるようにしている。データが盗難に遭う可能性がなければ、処理速度を優先し、修正を行わないという選択肢もあり得る。

 また、同社のクラウドサービス「アジュール」では、データを保存するクラウドサーバーを顧客ごとに分離しており、顧客の大部分に影響は出ない見通しだという。

 マイヤーソン氏は「世界中で利用されているデバイスやシステムについて、顧客が最良の決断をできるよう、われわれは可能な限り透明性を保ち、事実に基づき尽力する」と強調した。(ブルームバーグ Dina Bass)