米大手銀、きょうから決算発表本格化 注目は最終益より税制発言

 米大手銀行の決算発表が12日から本格化する。今回は、最終利益はあまり問題にならない。それより注目すべき点は、米税制改革、欧州の新規則、米金融政策の行方だ。JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴは12日、先陣を切って決算を発表する。注目点は以下の通り。

 【税制改革】

 各行の2018年以降の実効税率に関する幹部の発言に、アナリストは注目するだろう。税率低下は増益につながり、増配の可能性も生ずるからだ。RBCキャピタル・マーケッツのジェラード・キャシディ氏は銀行が減税による恩恵を理由に増配許可を当局に求めると予想している。ただ、価格競争やテクノロジー投資、人件費によって減税の恩恵がどの程度相殺されるかをアナリストは知りたがるだろう。

 【融資の伸び】

 17年10~12月期(第4四半期)の融資の伸びは2.7%と前四半期の3%から鈍化する見込み。18年には、税制改革の行方を見極めようとしてこれまで借り入れを控えていた企業がこれを増やす可能性があり、規制緩和も追い風になる公算がある。

 【トレーディング】

 全資産クラスを通じたボラティリティーの低さから、17年の顧客のトレーディング活動は低調だった。JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)の幹部によればこの傾向は10~12月期(第4四半期)も顕著だった。アナリストが注目するのは、金利上昇と中央銀行間の政策乖離(かいり)によるボラティリティーの高まりで18年の債券トレーディングが改善するという楽観論が聞かれるかどうかだ。欧州の包括的新規則である第2次金融商品市場指令(MiFID2)がリサーチとトレーディングからの収入に与える影響も焦点だ。(ブルームバーグ Hugh Son)