韓国文政権またも失政 最低賃金引き上げ、産業界からブーイング (2/2ページ)

 先月の最低賃金引き上げは、消費により経済成長を加速させることを目指す文大統領にとって重要な政策だ。大統領は2020年までに1時間当たり最低賃金を1万ウォンに増やすという公約を掲げている。韓国の賃金水準は経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中でも低い水準にある。

 政策の効果は企業経営者がルールを順守するかどうかに左右される。最低賃金に届いていなかった韓国人労働者の割合は16年に約14%だったが、賃上げの加速に伴い、今後さらなる拡大が予想されている。

 韓国労働組合総連盟が1月に217の労働組合を対象に実施した調査では、66%が「勤め先の企業が基本給に奨励金や社会保障給付を含めて計算したり、労働時間を削減したりして、賃上げの負担を逃れている」と回答した。

 文大統領は再三にわたり最低賃金の引き上げの必要性を訴えてきた。文政権は違反した経営者の実名を公表すると警告している。違反者には最高2000万ウォンの罰金もしくは懲役3年が科される可能性がある。

 20万人署名の嘆願書

 先月の賃上げ以降、大統領府にはウェブサイト経由で多くの嘆願書が寄せられた。20万人余りが署名した嘆願書をめぐり、大統領府や閣僚が何らかの発表に踏み切る可能性もある。

 韓国のマグネットワイヤーメーカーを率いるユン・チャンヒョク氏は「最低賃金が同様のペースで今後も上昇すれば、中国事業の拡大を見直さなければならない。経営者が賃金を引き上げる余力があるかどうかという根本的な問題について検討されるべきだ」と述べ、政府の影響の評価を完了するまで19年中は賃上げを凍結すべきだと提案した。

 韓国労働研究院(KLI)のリサーチフェロー、オー・サンボン氏はマイナス要素がプラス要素より多いかの評価を下すのは「やや尚早」とみる。「雇用データの評価には少なくとも3カ月はかかる。それが終わってから次の引き上げについて検討するのが望ましい」と述べた。(ブルームバーグ Jiyeun Lee)