【中国全人代】中国、銀行と保険の監督当局を統合 金融リスク回避 日本の「金融庁」モデル

北京の人民大会堂で開かれた中国全人代の全体会議=13日(共同)
北京の人民大会堂で開かれた中国全人代の全体会議=13日(共同)【拡大】

 【上海=河崎真澄】全人代で中国政府が13日、銀行と保険の監督当局を統合し、「銀行保険監督管理委員会」にする機構改革案を示したが、日本の「金融庁」をモデルに、これまでは業界単位でバラバラだった縦割り行政を一体化、金融行政で強い権限をもたせる狙いがある。主眼は中国発の金融システムリスク発生防止と、外国資本の銀行分野への市場参入への対処にあり、李克強首相が5日、政府活動報告で言及した。

 高利回りをうたう金融商品などの不透明な取引「影の銀行(シャドーバンキング)」への対応や蔓延(まんえん)する不良債権などで、業界ごとの指導では複雑化する問題に対応できないと判断。さらにトランプ米政権が要求した金融分野の対外開放に応じるために、防御機能も高める必要があった。だが問題は同列の監督当局で「証券」が外された点にある。2015年夏から16年初めにかけて発生した中国株の下落局面で、3当局はバラバラで場当たり的な対策を取ったため“金融危機”を起こしかけた。

 銀行、保険、証券の3監督当局は中央省庁より格が下の位置付けで、業界指導でも強制力が弱かった。株式や債券の市場管理も金融リスク対応に欠かせないため、証券が含まれないと「金融庁」として力を発揮できないことは、習近平指導部も理解している。

 16年は全人代を控え、3当局を中央省庁と同列の中国人民銀行(中央銀行)の傘下に統合する案が検討されたが、トップ人事闘争などから実現しなかった。

 今回は「過渡的な判断として先に銀行と保険を統合し、20年までに証券と人民銀行を再編する可能性がある」(北京の金融アナリスト)とされる。だが政府債務も膨張を続ける中で、金融リスク対応に一刻の猶予もない。むしろ“証券外し”は次の不安材料にもなりかねない。