【専欄】アメリカ中間選挙、貿易戦争にどのような影響? (1/2ページ)

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 米国の中間選挙で、トランプ政権の共和党は上院こそ勝利したものの、下院では民主党に過半数を奪われてしまった。この結果が米中貿易戦争にどのような影響をもたらすだろうか。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 米国の追加関税による影響は貿易面に出始めている。中国税関総署の統計によれば、今年1~9月期の中国の輸出入総額は22兆2800億元(約365兆1700億円)となり、前年同期比9.9%増だった。そのうち、輸出は6.5%の伸びにとどまっている。米国との輸出入総額はやはり6.5%増と、欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)の伸びに比べて低い。

 とりわけ輸出企業が集中する広東省など華南地帯は既に大きな影響が出ている。深セン市では、今年1~8月の輸出額が前年同期比で2.6%の減少となっている。特に米国向けの減り方が大きい。

 米国による追加関税は、規模の大きさからみると、9月に入ってからの「2000億ドル(約22兆8000億円)相当の中国製品に10%の制裁関税を発動」が際立っている。貿易面への影響が本格的に出てくるのは、むしろこれからだろう。

 中国指導部も先行きを懸念し始めている。特に10月末に開催された党政治局の会議では、「経済運営は安定の中にも変化があり、経済の下押し圧力が高まっている」と指摘した。そして「一部企業の経営には困難が多く、長年積もったリスクや隠れた問題が噴出している。これを高度に重視し、予見性を強め、適時対策を取らねばならない」と指示している。政治局会議がここまで深刻に現状の厳しさを認めるのは異例である。

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