【専欄】中国とはいったい何者なのか 中国自らの認識、規定から考える (1/2ページ)

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 経済が発展し、中間層が拡大するにつれ、政治体制が変化する-例えば、東アジアの開発独裁国家の中にはそうした変容を遂げた国がある。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 米国の従来の対中関与政策には、台頭する中国が同様に変容し、「米国好みの中国」になることへの期待が込められていたと言えよう。そして、米国の最近の厳しい対中政策の背景には、その期待が現実とはならなかったことへの失望、あるいは裏切られたとの思いがあるようだ。

 もっとも、中国に言わせれば、それは米国の勝手な期待に過ぎず、そんな約束をしたわけではない。では、現実の中国はいったい何者なのか。中国が自らをどのように認識し、規定しているかをみてみよう。

 改革開放以降、中国の指導者は、中国は「世界最大の発展途上国」で、「社会主義の初級段階」にあると、常々口にしてきた。つまり、中国は発展途上の社会主義国であるということで、それは習近平時代になっても変わらない。

 また、習近平時代の始まりを告げた2012年秋の第18回共産党大会の政治報告は、中国は国際社会で建設的な役割を果たす「責任大国」であると述べている。胡錦濤時代の07年秋の第17回党大会報告には「責任大国」という文言は見られない。「責任大国」という自己規定の背後には、世界金融危機後の国際社会における地位上昇、国内総生産(GDP)が米国に次ぐ世界第2に増大したことなどがあると言えよう。

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