欧州銀幹部に再編の青写真 米銀と格差で臆測活発「規模が重要」

フランクフルトにあるコメルツ銀行の支店前を歩く男性ら(ブルームバーグ)
フランクフルトにあるコメルツ銀行の支店前を歩く男性ら(ブルームバーグ)【拡大】

 欧州銀行業界再編の青写真が金融業界トップらの頭の中で、少しずつ形を成し始めている。欧州の銀行株にとって悲惨な1年が米銀勢との格差をますます鮮明とする中、銀行の最高幹部らは合併を口にし、想定される標的と買い手について、水面下で臆測が活発になっている。

 向こう1年から1年半を見据えて人気のシナリオは、独コメルツ銀行が買収されるケースと仏金融大手BNPパリバによる銀行買収だ。

 UBSグループのアクセル・ウェーバー会長はブルームバーグとのインタビューに応じ、「銀行にとって重要なことの一つは規模だ」と、米銀が金融危機からより強くなってよみがえったことを指摘した。「欧州の銀行は自らを変革しなければならない」と話した。

 バンカーらが夢見る合併シナリオのトップは、ドイツ銀行とコメルツ銀行の組み合わせだ。両行とも業績立て直しが難航しているが、ドイツ国内勢同士という点で同国政府や独連邦銀行(中央銀行)にとって望ましいとみられている。

 この組み合わせが機能しない場合、コメルツ銀がフランスのBNPパリバあるいはスペインのサンタンデール銀行の買収対象となる可能性があるという。ただし、サンタンデール銀はUBSグループの投資銀行責任者だったアンドレア・オーセル氏を最高経営責任者(CEO)に起用する計画を撤回しており、買収に向かうという観測は後退するかもしれない。

 コメルツ銀の買い手として最も適切な欧州銀はBNPパリバだと、幹部らは述べた。フランス政府が支持するほか、BNPの経営状態が他行と比べ比較的良いことなどがその理由だという。

 1人のバンカーが持ち出した特殊シナリオは、BNPパリバが英バークレイズを買収し欧州版JPモルガン・チェースになるというものだ。

 欧州銀再編劇への米銀勢参加は恐らくないとみられている。米銀上位6行の利益は年間1000億ドル(約10兆9400億円)超を昨年達成したばかり。米国の規制緩和の恩恵を受けて絶好調の米銀は、英国を含む欧州で波乱要因を抱えたくないためだ。

 スイスの銀行も、欧州連合(EU)での銀行再編参加には二の足を踏みそうだ。クレディ・スイス・グループは自らの事業再編をようやく終えようとしているところで、UBSについてはウェーバー会長はドイツ銀に関与する可能性に否定的な姿勢を示した。統合について「UBSが役割を演じるとは思わない。合併は何年にもわたって企業を縛り付ける」と語った。(ブルームバーグ Ambereen Choudhury、Ruth David)