米国民 AI技術開発、信頼度トップは米軍

米国防総省(AP)
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 米フェイスブック(FB)は人工知能(AI)開発競争のトップを走るテクノロジー企業の一社だ。だが、米国民の見解は異なることが、英シンクタンクの調査で分かった。

 オックスフォード大学人類未来研究所のAIガバナンスセンターが行った調査では、FBのAI開発について、回答者の3分の2以上が「信頼しない」または「あまり信頼しない」と答えた。国民は最先端のAI研究に携わる他のテクノロジー企業と比較し、FBにより懐疑的だった。

 テクノロジー企業の中では米マイクロソフトの信頼度が最も高く、危険を生じさせないAIを開発する能力に関し、回答者の44%が「大いに信頼する」または「かなり信頼する」と答えた。

 だが、それでも米軍への信頼度には引けを取る。国民が最も信頼するのは米軍で、17%が「大いに信頼する」、32%が「かなり信頼する」と回答した。

 この結果は、個人情報流出問題やロシアがソーシャルメディアを使って2016年の米大統領選挙に介入しようとした問題などを受け、FBがどれほど国民の信頼を失ったかを示唆するものでもある。調査は18年6月6~14日、米国民2000人を対象に行われた。

 米テクノロジー企業の多くは米軍とのAI技術の共有には賛否両論があると考えており、調査の結果はこうした企業を驚かせた可能性がある。米グーグルでは昨年、数千人の従業員が同社の技術を使った米国防総省への事業協力に反対を表明し、契約の更新が見送られることとなった。

 米軍の他、調査では学術機関も信頼度が高く、半数の回答者が大学の研究者を「大いに信頼する」または「かなり信頼する」と答えた。最先端技術の多くは企業の研究室で生み出されるようになったが、それは大手テクノロジー企業が豊富な予算でAI研究者を雇用したためで、機械学習の急速な進化を支える技術の多くはもともと、大学の研究室で開発された。

 調査では、大半の国民がAIやロボット技術の開発には慎重な管理が必要だと考えていることも分かった。回答者が最も気に掛けていたのは、顔認証などAIを用いた監視技術がプライバシーの権利や市民の自由を妨げないようにすること、AIが偽情報の拡散に使われないようにすること、AIがサイバー攻撃に利用されないようにすること、データ機密性の保護などだった。

 高学歴、高所得の米国人はAI開発を支持する割合が高く、男性は女性よりもAI技術を支持する傾向が見られた。(ブルームバーグ Jeremy Kahn)