欧州鉄道、複数の再編案浮上 シーメンス×アルストム計画却下 (1/2ページ)

シーメンスとアルストムの鉄道事業の統合計画を却下した競争政策担当のベステアー欧州委員=6日、ブリュッセルのEU本部(AP)
シーメンスとアルストムの鉄道事業の統合計画を却下した競争政策担当のベステアー欧州委員=6日、ブリュッセルのEU本部(AP)【拡大】

 ドイツの鉄道車両大手シーメンスとフランスの同業大手アルストムによる鉄道事業の統合計画を、欧州連合(EU)の競争当局(独占禁止法に相当)が6日、却下した。これを受け、460億ユーロ(約5兆7385億円)規模の欧州鉄道市場の行方について複数のシナリオが浮上している。

永遠の差し止め否定

 まずは「両社が計画を立て直して再申請に臨む」という筋書きだ。ベステアー欧州委員(競争政策担当)は統合計画への反対を表明した後にブルームバーグ・テレビとのインタビューで「これで最後の最後ということにはならないかもしれない。両社が合併案を練り直して再び承認を求めるなら、新たな状況になる。合併差し止めは永遠ではない」と含みを持たせた。

 EUの懸念は鉄道信号システム、超高速鉄道事業の2分野に集中している。両社の事業統合で値上げされたり、鉄道会社側の選択肢が狭められるなど、競争を阻害し消費者に不利益をもたらす恐れがあると指摘している。当局には顧客や競合企業、それぞれの事業の販売先となる産業グループから両社統合について否定的な意見が寄せられていた。

 両社はEU当局の判断をめぐり司法の判断を仰ぐか、あるいは新たな条件で申請し直すかに言及していない。ただ、世界最大手の中国中車(中国)に対抗するうえで欧州の「一大企業」設立を強く主張し、統合計画を支持してきたルメール仏経済・財務相とアルトマイヤー独経済相は、欧州の競争規定や産業政策の見直しに取り組むと表明した。

あらゆる選択肢検討