意外な地域に多い米高額所得者、「コミュニティーが感じられない」の声も (1/3ページ)

ワシントンDC郊外のバージニア州ラウドン郡(ブルームバーグ)
ワシントンDC郊外のバージニア州ラウドン郡(ブルームバーグ)【拡大】

 米国の失業率は50年ぶりの低水準に近づき、経済は力強く成長中だ。株式市場も2018年は振るわなかったにせよ、10年前の金融危機以降は気前よく配当を出している。

 もっとも、景気のいい人ばかりではない。貧富の格差は過去になく広がった。住む都市や地区によって米国が見せる姿は全く異なる。都市の豊かさを計る一つの尺度に、国勢調査局「米国コミュニティー調査」の最上位区分である「世帯年収20万ドル(約2200万円)以上」世帯の密度がある。

 米国全体で同区分に該当する世帯の割合は6.9%。本記事では、コンサルティング企業ウェブスター・パシフィックの算出値(18年12月6日現在のデータを使用、インフレ調整済み)に基づいて、00年以降で同世帯の密度が最も上昇した地区を紹介する。

 再開発で密度急上昇

 ■イリノイ州クック郡

 同世帯の密度上昇率ランキングには、シカゴを郡庁所在地とするクック郡の地区が1位と7位にランクインした。

 1位はカブリーニ・グリーン。ここはかつてカブリーニ・グリーン公営集合住宅があり、暴力犯罪、貧困、人種差別のはびこる地区として悪名高かった。1990年代になると、再開発のために公営住宅の取り壊しが始まった。当時、再開発によって低所得者が住む場所を失うことが懸念されたが、実際にその通りになった。20年後の今、年収20万ドル以上世帯の密度は0%から39%にまで急上昇した。

「コミュニティーが感じられない」