国内

住宅地化歯止めにタワマン規制 神戸市が振り上げた「もろ刃の剣」の結末は? (2/2ページ)

 ベッドタウン化防ぐ

 神戸市がタワーマンション規制に乗り出した背景には、オフィスや商業施設が集まる大阪のベッドタウンになってしまうことへの懸念がある。神戸は若者を中心に首都圏や大阪への人口流出が続き、訪日外国人観光客(インバウンド)の取り込みも大阪や京都など他都市と差が開くばかりだ。

 神戸市はビジネスや観光の玄関口となる三宮地区にオフィスや商業施設を拡充することでにぎわいを生み出すことを目指すが、現状は三宮の再開発は計画の遅れが目立つ。

 三宮にはすでに高層ビルが多くあるが、マンションの割合が高く、街のランドマークとなるオフィスビルや商業ビル、高級ホテルなどは少ない。これ以上三宮にタワーマンションが増えることで、市の目指す街の将来像が実現できないというわけだ。

 市の担当者は「住宅地としての機能が増えオフィスが減ると、三宮に働きにきていた人が大阪に流れる懸念がある。商業と働き場としての都市機能を維持するためにもタワーマンション規制は必要」と説明する。

 不動産業界は不安

 一方で、眺望のいいタワーマンションに対するあこがれは根強く、いまだに不動産市場ではニーズが大きい。とりわけ神戸は「1千万ドルの夜景」と称される眺望があり、ステータスを求める人からの人気が高い。

 神戸市内で多くマンションを提供する不動産会社「和田興産」(同市)の担当者は「少子高齢化が進み、利便性の高い都心部のタワーマンションに住みたい人が10年ぐらい前から増えている。業者側も少ない土地を有効活用できて高額で売れるため、需要と供給がマッチしている」と説明。神戸市の規制については「中心部だからこそ住みたいという人が多い。郊外のタワーマンションに需要はあるのだろうか」と不安を漏らす。

 実際、人口で神戸市を抜いた川崎市では、JR武蔵小杉駅周辺などに大規模なタワーマンション建設が進んだことが人口増の大きな要因となっている。

 タワーマンション事情に詳しい近畿大の佐野こずえ講師(建築学)は「都市部はすでに住宅の方が圧倒的に多く、これ以上タワーマンションを建設する必要はない」と神戸市の規制を支持した上で、「タワーマンションに住みたい人が別の市に移ってしまう懸念はある。郊外でも交通などの利便性を高くできるかが課題だ」と強調した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus