太陽の昇る国へ

防災大国ニッポンの実現に向けて 幸福実現党党首・釈量子

 --台風19号が猛威を振るい、甚大な被害を及ぼした

 今回の台風の影響で、東日本の広い範囲で記録的な大雨となり、現在のところ80人以上の方の死亡が確認されています。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

 --今回、防災対策が功を奏した例も注目された

 1日に試験貯水を開始していた八ッ場ダム(群馬県長野原町)が、利根川の治水に効果を発揮しました。旧民主党政権下の09年、「コンクリートから人へ」というかけ声の下、八ッ場ダムの建設中止を決定しました。しかし、今回の状況を見ても、「コンクリートが人を守った」のは明らかです。「民主党政権のままだったら、下流は今ごろ大洪水か」との声が上がっているくらいです。

 また、先日、首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)を視察してきましたが、そのスケールの大きさに圧倒されるばかりでした。水路全体で、「サンシャイン60(東京都豊島区)」1つ分という驚異的な水量をためることができ、航空機用に開発された巨大タービンを改造した排水ポンプはなんと、25メートルプール1杯分の水を、たった1秒で排出できる、世界最先端の設備となっています。

 「地下神殿」とも評される同放水路は、普段は巨大空間にすぎませんが、災害の発生時に極めて大きな威力を発揮します。今回の台風でも、海抜ゼロメートル地帯が多く、ハザードマップ上でも赤く塗りつぶされた、江戸川区一帯の浸水を防いだといわれています。

 この放水路はかけがえのない命を守る役割を果たしており、さらに完成して10年で1008億円分の浸水被害軽減効果があったとされています。

 現在、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で熱戦が繰り広げられています。日本が8強進出を決めた予選最終戦は、台風19号の影響により、開催が一時危ぶまれましたが、会場となった横浜国際総合競技場周辺での治水対策が功を奏し、予定通り開催されました。

 会場付近を流れる鶴見川はかつて「暴れ川」と言われ、氾濫を繰り返してきましたが、2003年に鶴見川多目的遊水池の供用が開始されて以降、流域への被害は最小限に食い止められています。スタジアム自体も、1000本以上の柱に支えられた高床式の構造となっており、洪水の被害を低減させる対策が施されていました。

 --治水整備含め、災害対策を進めるには、一定規模の歳出が伴う

 整備されたインフラは、将来にわたり、国民の生命と財産を守る「国家の資産」となります。ここ十数年の傾向を見ても、国の歳出全体は拡大する一方、公共事業への歳出は縮小し続けています。必要な災害対策が進まないばかりか、これが遠因となって、建設業の人材不足も招いています。

 不要なばらまきは削りつつ、生命を守るインフラ整備への投資は大胆に行うべきです。財源が足りないというなら「建設国債」の積極的な発行も躊躇(ちゅうちょ)すべきではありません。防災に未来産業の要素を取り入れることも念頭に置くべきです。

 災害の多発を見るにつけても、この国において今こそ、政策が求められているはずであり、万全な防災対策を施すべく、国としてインフラ整備を推進すべきです。

 また、折しも消費税率が10%に引き上げられました。今回の台風は被害が広範囲にわたりましたが、被災地の早急な復興に向けても、消費税は一律5%に減税するほか、災害を受けた場合に受けられる所得税や法人税の軽減措置を、大胆に拡充することも検討するべきだと考えます。

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【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。国学院大学文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。

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