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航空旅客市場 日本勢巻き込み競争激化

 旅行先として、ベトナムの人気が高まっている。世界的な旅行口コミサイト、トリップアドバイザーの「口コミで選ぶ世界の人気観光地ランキング2019」では、15位にハノイが入った。日本旅行業協会(JATA)の「日本人が選ぶ夏休みの海外旅行先2019」では、ベトナムは前年より順位を1つ上げ5位となった。

 30年までに400機超

 ベトナム人の旅行ニーズも高まっており、国際空港評議会(ACI)によると18年、国内旅客数も含めた年間総旅客数は前年比12.9%増の1億600万人、貨物量は同7.7%増の約150万トンだった。同国航空旅客市場はインド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)を抑え、22年まで年7.8%の成長が続くと予測されている。

 高まる需要に対応するためベトナム政府は18年、「2030年までのビジョンを含む2020年に向けた航空運輸開発計画」を承認した。この計画に沿って、交通運輸省は30年までに約154億ドル(約1兆6700億円)を投じ、航空機を400機超へと増やす。また空港の拡張・新設を進め、30年までに計28空港体制、年間収容旅客数3億800万人を目指す。

 新規参入相次ぐ

 市場の成長を受け、航空会社間の競争も激化していくと思われる。現在運航しているのは、ベトナム航空、ベトジェットエア(格安航空会社=LCC)、ジェットスター・パシフィック航空(ベトナム航空系LCC)、ベトナムエアサービス(ベトナム航空系)、そして19年1月に就航したバンブー・エアウェイズ(FLCグループ)の5社。国内線市場はベトナム航空、ベトジェットエアが拮抗(きっこう)し2社で8割超を占めているものの、ビンパール航空(ビングループ)、ベトラベル航空などの新規参入が予定されており、競争は激しくなりそうだ。

 国際線も同様に海外キャリアの新規参入が増えている。対抗すべく、フラッグキャリアであるベトナム航空は今年中に航空機を101機まで増やし、近い将来アメリカへの直行便を就航する。ベトジェットエアは国内線を38から42路線へ、国際線を44から60路線へと増やす予定だ。

 年間約76億7000万ドルと推定されているベトナム航空旅客市場には、日本企業も参入している。16年にはANAホールディングスがベトナム航空の株式約8.8%を約1億900万ドルで取得した。日本航空(JAL)はベトナム航空とコードシェアを実施していたが、これを受けて解消。軌道修正を迫られ、17年にベトジェットエアと業務提携した。ベトナム航空旅客市場はここ10年で大きく変化してきたが、日本企業も巻き込みながら、今後も動きの激しい市場となりそうだ。

 B&Company株式会社:日系で初・唯一のベトナム市場調査専門企業。消費者や業界へのアンケート・インタビュー調査と参入戦略を得意分野としている。b-company.jp

 「ASEAN経済通信」https://www.asean-economy.com

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