海外情勢

インドネシア、脱中国の外資誘致に全力 資源需要減退で繊維強化へ (2/2ページ)

 それでもルクミントCEOは、トランプ米大統領が中国製品への関税引き上げを実施した昨年以降、問い合わせ件数は飛躍的に増えたといい、「爆発的な伸びだ。顧客は事業環境が整っていて中国の代替になれるところを探している」と話す。

 スリテックスでは米市場向けの輸出割合が現在、13.6%と1年前の約3%から大きく伸びている。同CEOは需要急増に対応するため、来年は生産能力を20%高める計画だ。

 インドネシアテキスタイル協会(API)は、2017年に125億ドルだった輸出額を20年に146億ドルに引き上げる目標を掲げており、ジョコ大統領に改革促進を働きかけている。

 2期目(期間5年)に入ったジョコ大統領は、製造部門の復活を目指す中、中国に拠点を置く企業の誘致に力を入れるよう関係省庁に指示している。複数の経済団体が世界有数の手厚い退職金条項など労働法をはじめ、厳しい環境規制や外資による投資などを規制するルール緩和を求める中、大統領は今月、年内に労働基準の抜本的改革に向けた法改正を提案し、経済の多くの部門を外資に開放する方針を示した。

 スリテックスのような地場企業にとって外資の参入は競争激化につながるものの、投資誘致に向けた取り組みの中には効果を挙げ始めたものもある。

 台湾大手が工場新設

 台湾のアパレル受託大手でナイキにスポーツウエアを供給している儒鴻企業(エクラ・テキスタイル)は、生産拠点の多角化とリスク軽減のために、1億7000万ドルを投じてインドネシアで生地から衣類までを一貫生産する新工場を建設する計画だ。

 ルクミントCEOは中国に拠点を置く米繊維メーカーが現在、代替の生産拠点を探しているという具体例に言及し、「皆、貿易戦争の行方を憂慮している」とコメント。「貿易戦争は米企業への教訓になった。今では中国国外へ移転したがる米企業がどんどん増えている」と述べ、生産拠点を一国に集中するリスクについて指摘した。この上で「これはインドネシアの産業界や政府にとっても教訓になる」と語った。

 一つ問題なのは、中国に進出していた企業が中国国内で生産していた規模を移管先でも維持することが難しい点だ。ルクミントCEOによれば、世界市場で中国の生産能力は3割を占めるが、インドネシアはわずか2%にとどまる。

 同CEOは「(中国から)すべてを受け入れることはできない。ただ、大手企業はわれわれに規模の拡大を求めている。彼らにはどうしてもそうする必要があるからだ」と話した。(ブルームバーグ Karlis Salna、Rieka Rahadiana)

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