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企業の眠ってるお金動かせ 政府、官製M&A支援も課題山積 (1/2ページ)

 政府・与党で議論が進んでいる2020年度の税制改正で、自民党の税制調査会が目玉に据えている一つが、M&A(企業の合併・買収)を税制で後押しする支援策だ。企業が稼いだ利益のうち、株主への配当などを除いた現預金を過剰に保有していることへの批判が高まっており、このお金を投資に回そうというのが狙いだ。しかし、世界経済が不透明な中で、買収額に見合う利益を実現できなければ、企業が投資家から厳しく批判される。「官製M&A」の実現はそう簡単ではない。

 18年度は240兆円

 10月に開かれた政府の未来投資会議でも、過剰な現預金についての議論があった。

 足元(2018年度)の企業の現預金は240兆円となり、12年度に比べて約50兆円積み上がっている。一方、研究開発費をみると、年間1兆円の研究開発費を投じるトヨタ自動車でさえも米アマゾン・コムの3.2兆円に遠く及ばない。米巨大ITに比べて、日本企業は、創業間もないスタートアップ企業の買収や出資の事例が圧倒的に少ない、との指摘があった。米グーグルが、動画投稿サイトのユーチューブやネット広告企業などを矢継ぎ早に買収し、新サービスを打ち出しているのに対し、日本企業は後塵を拝していると分析。内閣府幹部は「日本企業はGAFAに比べて、投資やM&Aが明らかに少ない」と指摘した。

 “眠っている”現預金を動かし、消費や経済の好循環につなげることは、安倍晋三政権発足以来の目標。そこで、M&Aを推進しようと、経団連に賃上げを直接要請し、消費の活性化を目論んだ「官製春闘」の“再現”を狙っているようだ。政府・与党は2020年税制改正で、設立10年未満の非上場企業に対する1億円以上の出資を対象に、出資額の一定割合を法人税から控除する案を検討している。

 ただ税制ができれば、企業の投資が一気に進むかといえばそう簡単ではない。日本企業がM&Aのターゲットとしたい、人工知能(AI)や金融と情報技術を融合するフィンテック、自動運転などのデジタル技術を持つ企業への投資は、世界的な金融緩和もあって競争が激しいからだ。また、米中貿易摩擦の長期化など先行き不透明の中で、「英国や中国への投資は慎重に様子を見ている」(大手商社首脳)という事情もある。

 革新に痛みも

 デジタル技術でアジアの社会課題解決に商機を見いだそうと、日本企業は国内外で投資に動き出してはいる。中でも、改革の波が押し寄せる自動車業界は、トヨタ自動車がシンガポールの配車サービス大手のグラブに1000億円強を出資したほか、三菱商事や三菱自動車もインドネシアでバイクや車の配車サービスを通じ、料理宅配や買い物代行を手がけるゴジェックに出資した。

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