海外情勢

革新・文在寅政権の“支え”は保守勢力? 朴前前大統領めぐり分裂、対立修復できず

 就任から任期の折り返しとなる2年半が過ぎ、韓国・文在寅(ムンジェイン)大統領の支持率が再び上昇傾向を示している。目立った成果もなく、メディアでは論調を問わず否定的な評価が並ぶなか、革新政権の“支え”となっているのが朴槿恵(パククネ)前大統領の弾劾罷免以降、陣営内対立を修復できない野党保守勢力だ。日韓関係の改善に向け保守の伸長は不可欠だが、さらなる対立激化の可能性を指摘する声もある。

 「文在寅は習近平の『忠犬』だ」。11月下旬、中国の習近平国家主席に文大統領がひざまずく写真を載せた壁新聞が、全国400以上の大学に掲示された。

 製作した保守系学生団体「全大協」は昨年末以降、共産国家風の宣伝・扇動文のパロディーを発表し、文政権の政策を痛烈に批判してきた。それでも、共同代表の金秀●(=火へんに玄)(キムスヒョン)さん(30)の口をつくのは保守野党に対する不満だ。「党分裂の原因すら把握できない政治家たちに、党の再建方法がわかるわけがない」

 2016年に発覚した朴前大統領の親友による国政介入事件に端を発した政局で、保守勢力は大統領の弾劾罷免の是非をめぐり分裂。現在は(1)弾劾に同意(2)弾劾に不同意、朴氏の公判手続きは静観(3)朴氏の「無罪、即時釈放」を要求-の3グループに分かれ、非難の応酬が続く。

 来年4月の総選挙を控え、最大野党、自由韓国党の黄教安(ファンキョアン)代表は弾劾をめぐる対立を越えた「大統合」を呼びかける。これに対し、毎週土曜、大統領府に近い光化門(クァンファムン)広場で開かれる抗議集会の参加者らは(3)の立場から反発。「親朴」の強硬派、趙源震)チョウォンジン)議員が(1)との協調を訴える黄代表らに矛を向け「一度裏切ったやつらが、次は裏切らないと思うか」と聴衆に訴えると、大きな拍手が湧いた。

 さらに、新たな懸念としてくすぶるのが朴氏の「特赦」議論だ。雑誌「週刊朝鮮」が10月発表した世論調査で、釈放されれば総選挙に影響を及ぼすとの回答は54%に上った。同誌は「弾劾をめぐる応酬の『泥沼』に陥る」と予測する。

 内紛が続く中、前大統領のスキャンダルで失墜したイメージを払拭する改革は進まず、●(=恵の心を日に)国(チョグク)前法相をめぐる一連の混乱でも、自由韓国党は中道層の受け皿にならなかった。文政権は5日に発表された最新の世論調査で「支持」が「不支持」を約4カ月ぶりに上回るなど、野党の助けを得る形で勢いを取り戻しつつある。

 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の反対など基本政策は一致しつつも、政権追及で足並みが揃わない“分裂保守”。大手紙の編集幹部は「保守統合の実現は遠く、日米との関係を重視する政権の誕生には相当の時間を要するだろう」と話した。(釜山 時吉達也)

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