海外情勢

赤ちゃんをナカムラと命名 アフガン市民、中村哲氏の功績忘れず

 アフガニスタンの首都カブールの市民が、2019年12月に同国で殺害された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師、中村哲さんにちなんで、事件2日後に生まれた男の赤ちゃんを「ナカムラ・ムスリムヤール」と名付けた。命名した父、サミウラさんは「人々に尽くす息子になってほしいから」と理由を述べた。

 サミウラさんは中村さんが灌漑(かんがい)事業を手掛けた東部クナール州の出身。中村さんの事件を知って「悲しくて悔しくてたまらなかった」と振り返り、息子が生まれてすぐに「中村さんの功績を忘れてはならない」と命名を決意した。

 アフガンでは国教のイスラム教にまつわる名前を付けるのが一般的だが、家族から反発はなかったという。日本語が分かる知人に相談し「中村」に「イスラム教に反する意味はない」との説明も受けた。ただ、イスラム教徒かどうか判別できないため「イスラム教徒の隣人」を意味するムスリムヤールを付け加えた。

 「国を挙げてイスラム教徒のために働いた中村さんを守るべきだった」と悔やむサミウラさん。4人きょうだいの三男として生まれたナカムラちゃんには「名前負けせず、英雄の信念を受け継いでほしい」と期待した。

 長男のメヘラージさんも「中村先生のように立派な人物になってほしい」と笑顔で語った。(カブール 共同)

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