海外情勢

“世紀の空売り投資家”が日本株買い増し「沢山のチャンスがある」 (1/2ページ)

 「世紀の空売り投資家」として脚光を浴びた米ヘッジファンド、サイオン・アセット・マネジメントのマイケル・バーリ最高経営責任者(CEO)は電子メールによるインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大で株価が急落する中で、日本の一部中小型株を買い増していることを明らかにした。

 同氏は変わりつつある日本市場への投資に対して心を躍らせているという。「新型コロナは一時的な問題」だとし「まだ優良株の選定に100%集中しており、今日でもなおたくさんのチャンスがある」との考えを示した。

 その上で、日本国内では半導体製造装置のタツモ、建設用機械・機器のレンタルを手掛けるカナモト、技術者人材の派遣事業を運営するアルプス技研の株式保有を増やしていると話した。バーリ氏は、下落により「好機が訪れている」とし「私にとってタツモやカナモト、アルプス技研は長期保有の銘柄で、長期的なバリューは変わっていない」との認識を示した。同氏は、マイケル・ルイス氏の著書「世紀の空売り」(原題:ザ・ビッグ・ショート)で取り上げられて脚光を浴びる前から日本企業への投資に取り組んでいる。

 近年日本で増加している株式公開買い付け(TOB)は、合併や事業価値の増大に向けて企業の経営陣がより多くのリスクを取ろうとする意向を反映していると見ている。東京証券取引所が計画する市場再編が、こういった動きを後押しする一因となっていると述べた。

 規模の小さい企業は「時価総額の引き上げに取り組まなければ、疎外感を味わう可能性がある」と指摘。「もっとも分かりやすく迅速な対応方法がM&A(企業の合併・買収)で、それ以外であれば、株主還元に対する意識の向上や収益、株式持ち合いの解消といったより定性的なものになる」と訴えた。

 現在は米国や韓国なども含め個別銘柄に投資している。一方で、指数連動型商品や上場投資信託(ETF)に資金が流入しバブルの様相を呈していることに警鐘を鳴らしており、現在の状況はパッシブ投資バブルを破裂させる可能性があると指摘している。

 「日本には夜明け前の微光が差したこともあったが、現在の景気後退や株価の急落は明らかに一時的な外的要因によるもの」で「それは日本市場でM&Aが増加すべきことを意味し、特に後継者の育成方針が明確でないところではしばしば経営陣がM&Aに前向きになっている。これは以前と比べて大きく変化したこと」だと訴えた。

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