【ビジネスパーソン大航海時代】新規事業サポーターで輝く ソフトバンクOBのキャリアアップ~航海(4) (3/3ページ)

 「また、あるNPO法人のセミナーで登壇した時のこと。主催者の方が困る事態が発生しました。そこで直接は関係のない自分が機転を利かして、その事態の収拾に対応しました。それを見ていた方から後日連絡が来て、新規事業支援の案件依頼につながったこともあります。」

 「私の会社はホームページすらありません。このようなきっかけと、リピート・紹介によって事業が拡大しています」

 思わずうなりました。自分以外の方に困難が発生した時に火中の栗を拾うことで今の輝かしいキャリアになっていると。しかし狙って出来ることではありませんし、そもそも狙っては逆効果でもあるでしょう。

目標こそがキャリアを切り開く

 私は大野さんに聞きました。なぜ自分の大企業での華々しいキャリアを捨てたり、当事者でないときに体を張ることができるのか。

 「やはり恩師の堀出さんの影響です。大企業で事業を手掛けたのちに、儲からなくても自分の経験を学生に伝えていくこと。この気概に惚れています。私は常にそういう人になりたい。そしていつか大学で教鞭を執るのです」

 私は熱い想いに包まれました。せっかくの機会、もう一歩踏み込んでみます。

 そこまで強い思いを持っていない場合はどうしたら良いのか。

 「目標を持つことです。困難にぶち当たった時やモチベーション維持の糧となるからです。でも、急に目標を探すのは難しいかもしれません。そういう場合はまず憧れの人を見つけることです。私のように、その人になるためにはどうすればいいのか。という目標につながります。そしてそれが見つかったあとは、自分が将来やりたいことを人に話しつづけましょう。応援してくれる人が出てくるものですよ。私の例を見てみてください。『思考は現実化』すると言うことを実感しています。」

 お話を聞いていると何をやるか(What?)というキャリア形成ではなく、生き方(Why?)が大野さんのキャリアにつながっていると受け止めました。

 「影響を受けたあの人のようになりたい」。そのためには「困っている人の役に立つ」という“背骨”をもって行動した連続が今に結実しています。

 他者からはパッと見ただけでは理解が難しい行動=己の美学と向き合いながらキャリアとして突き抜けていく姿は41歳の筆者にとって、じんと感じるものがありました。

 読者の皆さんにも私の思いを伝えたく、大野さんのエピソードを紹介させていただきました。

【プロフィール】小原聖誉(おばら・まさしげ)

小原聖誉(おばら・まさしげ)株式会社StartPoint代表取締役CEO
1977年生まれ。1999年より、スタートアップのキャリアをスタート。その後モバイルコンテンツコンサル会社を経て2013年35歳で起業。のべ400万人以上に利用されるアプリメディアを提供し、16年4月にKDDIグループmedibaにバイアウト。現在はエンジェル投資家として15社に出資し1社上場。
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【ビジネスパーソン大航海時代】は小原聖誉さんが多様な働き方が選択できる「大航海時代」に生きるビジネスパーソンを応援する連載コラムです。次回更新は2月27日の予定。

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