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ファインアートを教育で活かす 宮山さんが「BLANCO」で目指すもの (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 宮山香里さんはファインアートの世界に生きるアーティストである。慶応大学で文化人類学を勉強し、東京で企業勤務を数年経験した後、ミラノの国立ブレラ美術大学の絵画科に入る。卒業して10数年を経て、現在、日伊半々の生活をしている。

 「イタリアのアートアカデミーは、歴史的に絵画・彫刻・装飾・舞台美術の4学科に分かれています。絵画科に入った当初は、多くの授業が重なっている絵画科と装飾学科の明確な区別が分からずにいました」と笑う。

 装飾美術はアプライドアート(応用美術)と呼ばれる領域にはいる。例えば、壁や天井に描くフレスコ画は装飾美術にあたる。

 「ファインアートは作家の人生やアートヒストリーの全てを相手にし、展覧会で展示する作品も、解説を書いてくれる批評家とじっくりと議論しあうのですね。言葉で客観化する作業を常に伴います」と語る。

 だからファインアートを舞台に活躍するアーティストは、他のアート領域に安易に足を踏み入れることはしない。批評やマーケットが、キャリアや美術史に基づいてどのように評価を下し価格設定をするか、そのシビアさを充分に承知しているからだ。

 参考までに説明すると、日本のデザイナーなどが「アートフェアやミラノのデザインウィークでアート作品を発表して、アートギャラリーで売っていきたい」と意気込んでやってきて空振りする背景は、こういうところにある。ファインアートの線引きのシビアさを知らない。

 良い悪いではなく、ファインアートとはそういう世界なのだ。

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