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ファインアートを教育で活かす 宮山さんが「BLANCO」で目指すもの (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 宮山さんはナポリに近いサレルノと東京のアートギャラリーに属し、ファインアートの世界にどっぷりつかりながら、もう1つの活動軸としてアートと社会の接点をテーマにおいている。

 彼女は文化人類学を専攻したこともあり、文化の違いを理解することに関心が高く、それはファインアートの作品にもでてくる。

 日本文化の特徴としてよく言われる「内と外」は、他の文化圏にまったくないわけではない。それでは文化圏によって境界の意味がどう異なるのか、その境界がどう表現されるのか、という点に注目する。

 このようなテーマで、知的障害者や小さな子どもたちを相手にワークショップも行うことがある。

 宮山さんのイタリア人の旦那さんは、やはりブレラ美術大学の絵画科を修了したアーティストであるが、知的障害者や精神疾患者の創造を促す活動も行っている。一方、宮山さんのお姉さんは、早稲田大学の文芸学科を卒業した後にミュンヘンテレビ映画大学劇映画監督学科で勉強。現在もドイツで映画の仕事をする。

 この3人が集まって「ブランコ(BLANCO)」というグループを作っているのだ。

 コンセプトは、日本・イタリア・ドイツを拠点に教育プログラムを提案することで、さまざまな違いを越えたコミュニケーションを生む場を作ろうとしている。

 そこでアートが活きる。人々の考えや思い込みの枠を外していく役割を果していく。ふたたび宮山さんにアートとは何かを問うと、クラフトとの対比で以下のように答えてくれた。

 「ファインアートは、モノであってもモノではない、ということですね。売れるとか売れないとか、そういう次元とは離れて作家の魂が問われる、ということだと思います。他方、クラフトではモノと使う人の関係が問われるでしょう」

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