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女性にこき使われてナンボ? 娘に尽くす警官に見るイタリア文化 (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 友人はイタリア人の警官だ。息子が小学生の時、同級生だった女の子のパパである。2年ほど前、ある用事をこなすために彼のクルマに同乗することになった。

 私服警官なので自分のクルマを仕事に使うことはあるようだが、この日、彼は休みで私用なのにパトカーのような走り方をする。トラムやバスなど公共交通機関しか通れないレーンを猛スピードで運転するのだ。

 「えっ! 大丈夫なの?」と聞くと、「なに、警察手帳を見せれば問題ない」と一言。そりゃあ、私服警官は同僚の警官に言えない隠密行動もするのだろう。たまに見る、特別レーンを走る一般車もこういうわけか、とぼくは納得する。

 「だいたい、俺は30歳過ぎまで、つまり10年以上、ナポリで無免許運転だったんだよ」と堂々と自慢する。懐古的イタリアあるあるエピソードだ。

 ぼくが驚いたのは、実はそういうことだけではない。

 「ちょっと悪いけど、娘をピックアップしていいか?」と突然聞かれた後のことだ。「もちろん」と答えると、娘が通う高校に向かう。

 「娘がこれから行くエステサロンに、クルマで送ってあげないといけないんだ」

  パパも大変だなあと思っていると、猛スピードで高校の近くに到着。校門の前ではなく「近く」である。娘指定の場所だ。

 というのも、パパのクルマは古い。「パパ、恥ずかしいから他の友人に見られたくない」と事前にメッセンジャーで言われていたのだ。

 それなのに、パパは嫌な表情を見せずに娘をエステサロンに連れていくのだ。これ、忍耐力なのか?

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