ローカリゼーションマップ

文化の「線引き」はどこまで必要か? スカンジナビアとアジアの違い (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 かつて1990年代は韓国の自動車メーカーが欧州で今ほどのブランドを獲得しておらず、「韓国車は日本車と比較して5年から10年は遅れている」と言われた時代だった。

 その頃、欧州のマスメディアは日本車を一括して「黄色いクルマ」と黄色人種をなぞらえた差別的な表現でとりあげた。日本車が欧州車メーカーを脅かす存在だったので、個々のユーザーは脇においておくとして、メディアはセンセーショナルな書き方を好んだ。

 実は韓国車も「黄色いクルマ」の仲間であった。意図的に「黄色いクルマ」と称されたのではなく、アジアのことはよく分からないから一緒くたにされたのである。

 しかし韓国車メーカーが、これに表だってクレームすることはなかった。品質の良い日本車と並び称された方が得であると判断したのだった。実際、韓国車を日本車と勘違いして購入する客は少なくなかった。

 このように自分の都合が良いように、時に応じて地域の線引きを微妙に変えていく事例は枚挙にいとまがない。卑近な例では、オフィスや自宅の住所を、皆が知っている場所や評判の良い場所に引き寄せることだ。

 あまりに強引でないならば、それで特に詐欺扱いされることもない。場合によっては、相手に有効なリファレンスを提示するとの意味で、親切でさえある。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus