5時から作家塾

古いが新しい、ヨーロッパを股にかける“令和のサブちゃん”「三五八屋」 (1/4ページ)

ステレンフェルト幸子

 「和食ブーム」で儲けているのは誰?

 ブームの発端となった「ヘルシー」の枠を飛び越えて、その飽くなきこだわりと発想の豊かさで世界を感嘆させたり呆れさせたり、とにかく注目を浴びがちな日本食。たいていの先進国では昨今の和食ブームで一昔前とは別世界のように日本食材が手に入り易くなっているようだ。

 しかしそうした和食ブームを商機に、欧米人を相手に「日本食」のブランド力をまとった安価な自国商品でアジアの他の国や中東の業者が数多くビジネスを成功させているのも事実。筆者のようなビンボー海外生活者にとってもちろんありがたい存在ではあるが、大量生産のナンチャッテ和食材でちょっとズレた和食のイメージを強化するケースがあることも否めない。

 誠実・真心サービスで差をつける日本人経営者

 そんな中、オランダ周辺に生活する日本人にそのきめ細やかなサービスと「かゆい所に手が届く」品揃えで絶大な信頼を得る「三五八屋」という宅配専門の日本食材店がある。

 生で食べられる卵、薄切り肉、無添加の出汁など、「海外で意外と手に入らなくてとても困る」食材を日本人の店主に家まで届けてもらえる安心感は、まさに海外生活における精神安定剤だ。

 経営者は、現在まで12年に渡りドイツで東北県人会会長をつとめる山形県出身の武田三五八氏。オランダを拠点にベルギー、ルクセンブルク、ドイツにも及ぶ数千世帯の日本人家庭を顧客に抱え、食材の輸入・チラシの作成から各顧客宅への配達まで、全て一人で手掛けている。

 また、毎日のように帰宅が深夜を回る日々の合間を縫って、ドイツ・フランス・ベルギー・オランダの4カ国で故郷山形の秋の名物「芋煮会」を主催。ドイツ・ライン川での「欧州一の芋煮会」は、山形市の「日本一の芋煮会」の公認姉妹芋煮会として、海外では最大の規模の芋煮会イベントとなっており、顧客や現地人に日本の味と季節行事の楽しさを広めている。その他にも1月には「新年会」、4月には「お花見」と、顧客との交流の場を設けているのも、「古いが新しい」にこだわる武田氏が昔の日本の商工会のイベントの記憶から再現したものだという。

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