ミラノの創作系男子たち

プラグマティズムを疾走する副業カメラマン ソーシャルメディアの寵児に (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 「準備は、シンプルに限る。女の子にポーズなんか指示しない。彼女たちには、自分のやりたいように動いて、とお願いするだけだ。その一連の動きのなかで、ハッとする瞬間を切り取る」

 彼の写真でみる女性たちは、どれもとても自由な空気を醸し出している。技術が未熟なところで設計に気張っても仕方がなく、シンプルなことを最高に表現することを初期の目安にしたのだ。その写真がファッションメーカーの広告やカタログになる。

 一人の人間ができることなんて限られている。 

 「写真もすべてなんてカバーできない。風景やスポーツの撮影をするなら、カメラやレンズの種類も変えないといけない。ぼくはファッションにしか手を出さない」

 写真家として独立しないのだろうか。

 「目標にはかなり近づいてきたが、本業との調整が難しくなり、もう少し自分のフィーレベルがあがった時に考えるかもしれない」

 自宅でのんびりとすることが苦手な彼は、映画をみれば何日かかけて一本を見終え、本は細切れで読む。読書家とは縁遠い。多くのインプットを避け、少ない情報で多く深く考える。

 ソファに座るのはユベントスのアウェーのゲームをテレビで見るときだけだ。

 プラグマティズムの道を力強く歩むエマヌエレの目は野性的である。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ミラノの創作系男子たち】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが、ミラノを拠点に活躍する世界各国のクリエイターの働き方や人生観を紹介する連載コラムです。更新は原則第2水曜日。アーカイブはこちらから。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ローカリゼーションマップ】も連載中です。

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