働き方

退職代行、若手にとっては渡りに船 「幸福のモデル」は機能不全に陥った (3/4ページ)

 退職代行サービスは昨年ごろから急速に話題となり、人材紹介会社などがサービスを提供している。利用料金は3万~5万円程度が多いようだ。勤め先への退職意思の伝達をめぐり、法的リスクへの対応も含めたサービスを提供する弁護士事務所も登場している。この場合、料金は上がる。それでも利用者が増えているようだ。「すぐに辞めたい」と思う人にとって退職代行サービスはまさに渡りに船なのだろう。

 定年まで勤めあげる「幸福のモデル」は機能不全に陥った

 退職代行サービス利用の是非は、一概には言えない。それは、個々人の判断による。ただ、働く以上、人と人のつながりや信頼関係は大切にしてほしい。別の見方をすれば、労使間での信頼関係が失われつつあるということだろう。これは問題だ。

 突き詰めて考えると、わが国では雇用のミスマッチが深刻化している。この状況が続けば、わが国の経済には無視できない影響が及ぶ恐れがある。このため政府中心に労働市場などの構造改革を進めることが欠かせない。

 1990年初頭に資産バブルが崩壊するまで、わが国経済は右肩上がりの成長を遂げてきた。特定の企業に就職し、年齢を重ねるごとに昇給・昇進を重ね、定年まで勤めあげることは当たり前だった。その意味で、終身雇用制度はわが国の“幸福のモデル”だった。

 しかし、1997年の金融システム不安を境に状況は一変した。倒産することはないと考えられた大手金融機関が経営破綻するなど、わが国の幸福のモデルは機能不全に陥ったといえる。以後、転職を目指す人は増えてきた。

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