主張

敬老の日 「年の功」が輝く世の中に

 高齢者の力が必要な時代になっている。

 長く社会を支えてくれた高齢者の皆さんに改めて感謝したい。同時に、高齢者が「年の功」を踏まえ、ますます輝ける世の中にしていきたい。

 それぞれの分野で、高齢者は長い経験を持っている。人生100年といわれる時代に、それを埋もれさせてしまうのは惜しい。

 高齢者に無理のない範囲で能力を発揮してもらえば、続く世代も学べるものは多いはずだ。

 日本は少子高齢化が進み、社会保障改革は待ったなしの課題となっている。

 総務省の今年の人口動態調査では、14歳以下は12%余りであるのに対し、65歳以上は28%を超えた。長寿はそれ自体がすばらしいことだが、年金や医療などの社会保障給付費は膨らんでいく。

 政府が6月に閣議決定した成長戦略は、70歳までの人たちの就業機会の確保を企業の努力義務にするなど、長く働く人を増やそうとしている。

 公的年金の受け取り開始時期を70歳以降でも可能とする制度も検討されている。

 健康で意欲のある高齢者に働いてもらい、社会保障費の増加を抑えなければならない局面を迎えている。人口減少が加速する中で、元気な高齢者が勤労を通じて、引き続き社会に貢献していくことは大きな意義がある。

 もちろん、それだけではない。高齢者が仕事や人生の経験を生かして長く働くことは、社会に活力を与える。高齢者が生きがいを持つことにつながり、現役世代への刺激にもなる。

 「高齢者」の定義も揺れている。日本老年学会などは一昨年、65歳以上とされる「高齢者」の定義を、75歳以上に見直すよう提言した。10~20年前に比べ、医療の進歩などで加齢に伴う身体機能の変化が5~10年遅れ、人々が「若返っている」ことがわかったからである。

 老いには個人差がある。健康上の理由などで一線を退いたお年寄りを社会が温かく支えるべきなのはいうまでもない。

 一方で、高齢でも希望すれば働ける機会を、さらに広く設けていかなくてはならない。

 そうすれば、真に必要なところへ社会保障を振り向けられる。それが「敬老」というに値する高齢化社会の在り方ではないか。

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