働き方

日本人は有休を「取りたがらない」のか、それとも「取れない」のか (2/4ページ)

 フランス、ドイツは30日を全消化

 とはいえ、東海岸の企業に勤務する彼らを取り巻く労働環境は、かなり恵まれており、国土が広い米国では必ずしも一般的とは言い切れない。それを示すデータがある。

 米国の大手旅行サイト「エクスペディア」が毎年行っている、世界各国の有給休暇日数を比べたアンケート調査の最新2018年版によれば、米国は与えられた14日間のうち、10日間を消化した。一見多いようにも見えるが、有休消化率は71%と、最低の日本(50%)、2番目のオーストラリア(70%)に次いでワースト3位にとどまっている(図表1)。

 消化日数は、いずれも10日間の日本、タイと並んで最下位。与えられた30日のうち、全30日を消化したフランス、ドイツ、スペイン、ブラジルの消化率100%には脱帽の思いしか浮かばない。

 調査では、米国人が有休を使わない最大の理由として「長期旅行のために、利用するのを控えているためだ」と分析。「長期旅行は素晴らしいが、休暇と休暇の間隔が開きすぎてしまう。週末や祝日に有休を付けた短期休暇でも、生活の質を高めることが可能だ」と指摘している。つまり、米国の祝日は、独立記念日やクリスマスなど日にちが確定しているものを除くと、月曜日となっているため、例えば金曜を有休に充てれば4連休は確保できるという意味だ。

 国に義務化されなければ休めない日本人

 一方で、有休取得に罪悪感を抱く人は、58%の日本を筆頭に、米国でも39%の人が「感じる」と答え、上から4番目に位置している(図表2)。米国は、有休を取得するための権利が法律で保障されておらず、先進国の中でも珍しい部類に入る。有休について、企業の裁量に委ねられているものの、企業風土なども作用するためか、取りにくさを感じている人が相当数に上っていることもうかがえる。

 先に触れたが、各国中最低に位置する日本の有休消化率は、20日中、10日の取得で50%。ワースト2位のオーストラリア(70%)とは大きくかけ離れている。昨年成立した働き方改革関連法は長時間労働の抑制に向け、年10日以上の有休が与えられる労働者に対し、年5日以上取得させることを会社に義務付けた。4月から実行に移されているが、働き方改革の旗を振った国が義務化に踏み切らなければ、実効性が担保されないとの点で、他国とは一線を画していると指摘せざるを得ない。

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