働き方

日本人は有休を「取りたがらない」のか、それとも「取れない」のか (3/4ページ)

 官製有休なら休めるか

 日本中がほぼ一斉に休む年末年始やGW、お盆休みなどは堂々と休むものの、旅行や子どもの学校行事などの家族絡み、あるいは自身の体調がすぐれない時に、有休を使いづらい雰囲気を多くの人が感じていると思う。多少の体調不良なら、無理してでも出勤することだろう。休みが集中する結果、新幹線、高速道路、飛行機のラッシュはすっかり恒例行事となり、観光地は軒並み混雑する。有休をうまく活用すれば、避けられるはずだが、周囲を気にするあまり、平日に会社を「欠席」する後ろめたさ。これを打破すべく、政府のお墨付きを得て取得する有休は「官製有休」とでも言えようか。

 ちなみに、あまり知られていない話だと思うが、実は米国よりも日本の方が祝日は多いのだ。米連邦政府が定めた全州共通の祝日は10日にとどまっているのに対し、2019年の日本の国民の祝日は、改元の影響で例年より多い17日に上っている。祝日なら休めるのに有休となると尻込みしてしまうのだ。

 上司の理解も世界一足りない

 筆者の経験で誠に恐縮だが、早朝から深夜まで働き続ける超長時間労働で有名な政治記者の一人として、残念ながら有休を取得したことは一度もない。休日出勤の度に加算される代休などを優先的に取得しなければならず、その代休さえ、多忙であればあるほど休日を削って、取材に駆けずり回るため、どんどん積み上がる。有休消化は「夢のまた夢」。毎月の給与明細に記載される有休日数は、常に法定上限の40日で変わらないままだった。

 先の調査でも、日本人労働者の有休に対する罪悪感が払拭(ふっしょく)されていない一方で、上司が「有休取得に協力的」と答えた人は各国中、唯一50%を下回った(図表3)。上司、部下、どちらが先かは「ニワトリとタマゴ」の関係であったとしても、いずれも意識改革が必要なのは言うまでもないだろう。

 話は脱線するが、この流れは以前の記事(https://president.jp/articles/-/29004)で記した男の育休についての議論とまったく同じことにお気づきだろうか。日本の育休制度は、国から給付金が支給されるという意味では、大きく区分けすれば有休になるかもしれない。いずれにせよ、有休の義務化導入により、1日でも多くの有休が取りやすくなる状況が生まれ、さらには育休議論にも波及することを期待したい。

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