今日から使えるロジカルシンキング

ビジネスの「常識」は誰かの偏見 大塚家具社長は退任すべきか (2/3ページ)

苅野進
苅野進

問題2の解説 「匠大塚」の業績は?

 ニュースとしてはお家騒動の結果、「結局2代目社長の先代長女である久美子氏が敗北した」という流れですね。しかし、これは表面的にしか見ていない極めて外野的、メディア的な判断です。数字が悪くなったときに、目についた状況(目につきやすい状況)に原因を求めてしまいがちですが、本当の因果関係は目につきやすいかどうか、いわんやニュースとして取り上げやすいかどうかとは関係ありません。

 先代社長が経営する「匠大塚」の業績は公表されていませんが、形としては元の大塚家具の在庫と売場面積のリストラ完了版のようにスタートした業態ですから成功していたとしても大塚家具と比較するのはフェアではないでしょう。

問題2の解答例

 隠れた前提として考えられるのは、「先代社長が残っていれば、このような業績悪化は起こらなかった」ということです。


問題3

 三菱重工業の経営判断に潜む「隠れた前提」を考えてみましょう。

三菱重工業が縦割り組織の弊害を払拭すべく、事業所・事業本部制の解体を中心にした組織改革を10年かけて実現し、2019年からグローバル・グループ経営に移行します。

問題3の解説 「横割り」だったら?

 「縦割り」が日本、そして日本企業の業績悪化や環境変化への対応力低下の原因であると(かのように)語られてすでに数十年が経過しています。対戦中の日本軍の問題点としても指摘されているくらいですから、日本人の意識の中に「縦割り組織=悪」という構図が刷り込まれているのではないでしょうか。

 セクショナリズムと呼ばれる考え方ですが、そもそも組織が生まれるのには理由があります。そして、「横割り」も同じ組織です。横割りで設計された組織で縦割りと同じような「組織間のコミュニケーション不足」による提供サービスの劣化や環境対応への遅れが発生している例も沢山あります。

 縦割りか横割りかではなく、そもそも「組織の力」と「個人の力」を適切に組み合わせて運営するスキルの問題だと考えなくては、今度は「横割り行政の弊害」という論説が広まる時期が来るだけでしょう。

問題3の解答例

  • ・横割り組織が理想的な組織となる
  • ・縦割り組織の悪い点を解消する新しい組織図というものが存在する

問題4

 次の上司の提案に「隠れた前提」を考えてみましょう。

上司「お客さんから緊急のトラブル対応の要請がきちゃったよ。とりあえずメンバー全員残っておくように伝えて。残るのが無理なら、家で対応できるように伝えて」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus