社会・その他

観光シーズン前に浸水被害、茨城・大子町 現地でボランティア不足の現状を聞く

 台風19号の影響で大規模な浸水被害を受けた茨城県大子町(だいごまち)。経済損失は一週間が経った今も全容がわかっていない。SankeiBiz編集部の一員が18日、現地でボランティア活動に参加し、活動終了後、大子町社会福祉協議会に現状と被害を受けた方々への配慮を聞いた。(SankeiBiz編集部)

 国指定の名勝・日本三名瀑のひとつ「袋田の滝」を擁する茨城県大子町。冬には滝全体が氷結する「氷瀑」が見られる。今後、観光シーズンを迎えるこの地にも台風19号が甚大な被害をもたらしており、経済的な損失も計り知れない。

 また、現状を伝える報道も少なくボランティアによる作業にも限界がある。今回、Sankeibiz編集部の一員が18日、現地でボランティア活動に参加。活動終了後の午後4時過ぎ、大子町社会福祉協議会の麻生弘事務局長に現状、そして物理的に限界があるなかで、被害を受けた方々にどう配慮すればいいかを伺った。

 人材・資材が不足…物理的な状況には限界

 教えていただいた点は2点。まず、現時点においても資材が少ないという点。被害発生から今までに不足していた(堆積した泥をかき出し、集める)スコップや土のう袋に加え、次の段階(屋内の浸水被害に対応するため)に必要な建築の知識・経験を持つ人材、そしてその作業に必要な器具が足りないという。

 そして2点目が、その段階につなぐための人員と車両が不足しているということだ。この2つの問題を解消し、両輪として被害を受けた方々のニーズに対応していきたい考えという。

 人手が足りないなか…心理面で「取り残し」を防ぐ

 実際、ボランティアに参加し、被害を受けた家屋の中で作業の進捗状況に差があることを感じた。事務局長に、その点を伺ったところ、真摯に答えてくれた。

 被害を受けた方によっては、ボランティアの依頼や、今日に至るまでの各自の対応に差が発生してしまっている。そこで被害を受けた方々が抱えている心理的な不安を少しでも取り除ければと、そうした方々を回るローラー作戦を毎日実施し、「必ず救助は来る」「見捨てることは決して無い」と、絶やすことなく伝えていくと語った。

 この心理的なつながりが、支援において次の段階につなぐために必要とも話した。その背景には、ボランティアの人員不足が大きく関係する。

 「110件に120人」人手が足りない

 18日に、ボランティア活動に参加したのは約120人。そしてボランティア活動の依頼数は約110件。現状、泥出しや屋内の家財道具を持ち出す作業を行うには圧倒的に人手が足りない。

 そこには「参加する」時点からの物理的な問題がある。車両で現地に入る事は出来るが、JR水郡線が台風の影響で大子町まで復旧していないのだ(11月1日に福島方面から運転再開の予定、しかし大子町の南に位置する西金方面からはかなりの期間を要する)。

 現状では臨時で(水郡線が復旧している)常陸大宮駅から常陸大子駅間のバスを発車している。また、茨城県及び社会福祉法人茨城県社会福祉協議会が水戸市から無料のボランティアバスを朝7時30分に発車している(定員40名、要連絡。今回は電話にて連絡し乗車した。詳細はリンク先の下部にあるPDF参照)。

 19日は雨の影響で、大子町のボランティア受け入れは中止。天候が回復する20日からボランティア活動が再開するという。

 被害を受けた他の各地はもちろん、大子町も復旧に向けては、より早くより多くの人員での対応が望ましいのは間違いない。

社会福祉法人 大子町社会福祉協議会のフェイスブック

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