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BMWが新しいロゴで打って出た 風雲急を告げる自動車業界を象徴 (2/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 何しろメルセデスベンツは、世界最古の自動車会社を起源にもち「最善か無か」を標榜してきた歴史的トップメーカーです。ブランドロゴのスリーポインテッドスターも「陸・海・空」での繁栄を表象する絶対神のごとき存在。1900年代後半までには高級車メーカーとしての地位を確立していたメルセデスベンツに対して、BMWは1962年新発売の1500シリーズや、その系譜を継ぐ2002、1975年以降の3シリーズなど着実にミドルクラスのセダンでヒットを積み重ねながら、メルセデスベンツと真っ向勝負する上位クラスまでじっくりとラインナップを拡充してきた経緯があります。

 特に、上級サルーンが主流だったメルセデスベンツとの違いを鮮明にするためにも、常にスポーツネスの追求には力を入れており、時代ごとに少量生産のスポーツカーM1やZクラスを投入したり、自社チューニングの先駆けとなったM Sportsなどで「駆け抜ける歓び」を訴求してきたのでした。

 「エンジン屋」の強みをいかに未来に継承するか

 BMWの名前の由来は「Bayerische Motoren Werke(バイエリッシェ モトーレン ヴェルケ)AG」。日本語に訳せばバイエルン発動機製造株式会社でしょうか。なんともエンジンの存在感を強く意識させる名前です。実際にBMWのシルキーシックスと評された直列6気筒エンジンは歴史的な存在ですし、バイクでも有名なBMWがそのエンジンパワーに由来するドライビングプレジャーへの支持で成功、成長してきたことは紛れもない事実なのです。

 しかし自動車業界を取り巻く環境の激変はCASEを始め劇的なパラダイムシフトを起こしつつあります。自動車の動力1つをとっても、エンジンからEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)のモーターへのシフトが大きな流れを作りつつあります。例えば、最近新発売されたポルシェのピュアEVの4ドアスポーツカー「タイカン」の試乗記では、今まで内燃機関の唱道者であった自動車評論家たちがこぞって、そのパフォーマンスとドライビングプレジャーを絶賛しており潮目の変化を感じさせます。

 実はBMWも電気自動車の研究開発には長年力を入れており、例えばすでに2012年には1シリーズをベースにしたActive EというEVを、日本ではカーシェアで利用できる社会実験を行っていました。当時私も乗ってみたのですが、ワープするような音もない強烈な加速感には衝撃を受けたものでした。

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