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「白いセンチュリー」が大きな話題 箱根駅伝をイメージ戦略の観点で見る (2/2ページ)

観光振興に貢献

 駅伝をイメージアップに、最もうまく活用しているのは言うまでもなく箱根町(神奈川県)だろう。

 名前の連呼と刷り込み。テレビで効果的に流される映像は、「箱根に行きたい」「箱根に行こう」と旅情をかき立てる。

 観光地に関する重要な統計として「観光入込客数」あるいは「入込観光客数」がある。観光客とは日常生活圏以外の場所へ旅し、滞在が報酬を得る目的ではない存在と規定。都道府県の観光地点を観光客が訪れた数をカウントした値を指す。

 箱根町は、2015年5月に起きた大涌谷の噴火による立ち入り規制で観光客が激減、16年7月の一部規制解除からようやく客足が戻った。毎年6月には前年の観光入込客数を発表している。昨年6月、3年ぶりに2000万人台を回復し、2152万人となった。今年はさらに上積みが見られそうだ。

 発表では特に駅伝の記述は見られないものの、箱根町のイメージアップに大きく貢献している。箱根町観光協会の公式サイトは箱根駅伝を目次にする。

 今年のNHK大河ドラマ「いだてん」の前半の主人公、日本初のオリンピック選手、金栗四三こそ、箱根駅伝創設の中心人物だったとつとに知られる。では、なぜ金栗たちは東京、箱根間を駅伝で走ろうと決めたのか。案外知られていない。

 実は、東京と日光、東京と水戸という対立候補もあった。そこから箱根を選んだのは、(1)道路事情がよく、平地や坂、山などコースが変化に富む(2)景色がよく、名所や史跡も多く別の楽しみもある(3)宿泊や休憩施設も多く、観客にとっても距離的にちょうどいい。さらに、客足の落ちる「冬の箱根温泉活性化」という名目から、冬季開催が決まったとされる。

 創設期からツーリズムを下敷きに、イメージアップ戦略が練られた。スポーツを使ったイメージ戦略では、オリンピックやNFL(米ナショナル・フットボールリーグ)のスーパーボウルが顕著な例にあがる。箱根駅伝の志向するものが見えてくる。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)

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